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気まぐれ美人は理不尽です  作者: ヨムヨムくん*
2/5

2ー厄介事は続くのか?

こんにちは、またはこんばんわです。

楽しく読んでいただけたら嬉しいです。

主人公をどういう外見にしようか迷っています。

どうしよう。

 カフェまでゆっくりと歩く。勿論俺は、彼女の3歩後ろぐらいを。

彼女の選んだカフェは路地裏から出てすぐのところにあるそうだ。


「よく知ってるな」


彼女が迷わずにそのカフェへと向かっているので、疑問に思って聞いてみる。


(やっぱカフェとかは、行きなれてんのか?俺はあんまり行く人いなかったからなー…はぁ)


自分で思って、自分で悲しくなったので彼女の答えの方に意識を向ける。


「いや?ワタシも知らなかったゾ?」


彼女はちらりとこちらを振り返って答える。

自信満々な答えだが、知らなかったのならどうしてカフェがあると、分かったのだろう。

そう聞いてみると、


「フッ。気になるカ?」


(あ、うざい)


ちょっとムカッてきたが、ここは『大人の余裕』を見せなければ。

ものすごく気になってます!という表情を作り、コクコクと頷く。


「気になるカ?やっぱりカ?フッフッフッ、教えてやろうカ?」


(早くしろよっ!何この子、めっちゃムカつく)


 後ろ歩きのまま器用にクルクルと回りながら、彼女は答える。答えといえるかは不明だが。


 顔の筋肉が引きつりそうになった。

俺の持ちうる『大人の余裕』を総動員して笑顔を作る。

にっこりと、優しく笑って言うんだ!教えて下さい、と。

キレるなよ、キレるなよ、俺……。

深呼吸をして心を落ち着かせ、いざ、と思っていたら。


「何してるんダ?その笑顔はキモいゾ」


(うるっせぇんだよ、人が我慢してやってるのに。それはないだろっ!笑顔は仕方ないだろ!)


ちょっとブチギレそうな俺。もう俺には『大人の余裕』なんて残ってなかった。

でも、彼女に疑問を投げかけたのは俺なので、ここで投げ出すわけにはいかず、唇をかみしめてカッコつける。

……全然カッコよくないのは分かってるってっ!


「ごめん、ごめん。それはそうと、答えを教えてくれよ(前髪かき上げながら)」

「……オエッ」


わざわざ、ご丁寧にえずくふりまでしてくれた。

ドサっと、ズボンが汚れることを危惧する間もなく崩れおちる。


(俺のメンタルは豆腐のメンタルなんだよ!ちょっとは気遣えよ。確かにあれはキモいかもしれないけど、

その反応は傷つく)


そんな俺を見て、流石に可哀想になったのか彼女は立ち止まって、手を差し出す。


「ン」

「あー、ありがとうございます……」


絵面的に女の子に助けてもらうのは、ダサいなと思うが、元はと言えば彼女のせいなのだから。うん。

気にしたら負けだ。

遠慮なく手を乘せることにした。

と。


「何してんダ、財布ダヨ、財布。ワタシのナイからナ」


―――喝上げでした―――

悲しくて、虚しくて、なんで俺こんなに振り回されてるんだろうと、俺は床を見つめながら思う。

ああ、美少女ってこわいわ……。


「じょ、冗談ダ。す、少しからかっただけダ!」


焦ったような彼女の声。

女の子に心配かけるなんて、と思い直し立ち上がる。ズボンに付いた汚れを払い、彼女を見る。

そして、


「ぜっっっっったい、冗談じゃなかったよねっ!?」


と涙目で叫んだ。

***

一言文句を言ってスッキリしたので仲直りをする。

「俺は悪くないけど、一応ごめん」

「ワタシも悪くないガ、すまない」


よし!仲直り成功!ムカつくけど……。

握手を求めて手を差し出すが、


「手を拭いたら、握手しても良いゾ?」


と言われてしまった。

悲しくなったが、彼女と出会ってから、悲しいこと以外が殆どなかったので、慣れた…はず。


「そうそう、ワタシがカフェに気づいたのはダナ、ズバリ、匂いだ!フフン」


どーでも良いわぁ!!!

俺はなんでこんなくだらないことを気になっていたのだろう。心底どーでも良い。時間の無駄だったかもしれない。

 でも、また後ろ向きに歩きながら、ニッと、目を細めて笑い、Vサインをする美少女。

それを見ていると、


(まぁ、彼女のかわいい笑顔が見れたからいいかな)


と思ってしまうのだった。

 

 そのままカフェへ向かって彼女と歩く。というより、彼女のあとに付いていく。

水溜りに反射して、太陽の光が辺りを淡く照らす。

そして、そこを弾むように歩く美少女。

う〜ん、眼福、眼福。特に栗色の髪がキラキラと、光っていてとても神々しい。

太陽に感謝を!!!


そうやって俺がアホな事を考えているうちに、カフェの前まで来ていたようだ。


 カフェは茶色を基調とした、落ち着いた外観だった。しかし、地味すぎてもいない。

ところどころ、アクアマリンのアクセントが入っていて、おしゃれだった。


「ここダ。フッ!ワタシの嗅覚はすごいだろ!」


あ〜すごいすごい。偉い偉い、と彼女を適当に褒め、店の中へ促す。


カランコロン


ドアを、俺が紳士を気取って開けてやると、ドアベルが心地良い音をたてる。

同時にふわっと柔らかく、甘い匂いが広がった。


(ここは天国か!?久しぶりだな、カフェって)


「いらっしゃいませ!」


制服を着た店員さんに迎えられ、俺たちは窓際の席に座った。

店内は客で賑わっており、それだけでこのカフェが人気なのが分かった。


「ご注文が決まり次第、お知らせください」


どうぞごゆっくり、と微笑んで去っていく店員さん。

慣れずに、ぽわぽわとしていると、彼女が話しかけてきた。


「オイ。どれにするカ、決まったのカ?せっかくなら、2人で分けないカ?」


彼女は喜色満面で、聞いてくる。こういうところは可愛いのにな。


「いいね。すみませーん」


漢を見せようと、店員さんを呼ぶ俺。

ここから、伝説のあの、『ここからここまで、全部一個ずつください』をやるのだ!

ふっふっふ。彼女には情けない姿しか見せてなかったが、ここで、名誉挽回できるのでは?

いや、できるできないではなく、してみせる!

と決意したとき、店員さんがやってきた。


「ご注文はお決まりで―――はあっ!?ぶふっ、ふはっ、ふっ…」


……なんだろう。聞き間違いかな、この声。

恐る恐る、店員さんを見上げると―――そこにいたのは姉だった。



姉です!

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