↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/2

花月

夢想の世界


黒く細長い月が

昼の世界にかかっている


下界は雨


雲の上に

黒く細長い月がかかっていることを

誰も知らない


はらり はらり


花びらを黒い兎が下界に散らす


白い兎は黙ってそれを見守る


ひらり ひらり

はらり はらり


様々な色の花弁たちが黒い兎の手から

放たれ


下界へと

雨となって落ちて行(ゆ)く


「あのさー」

と白い兎がふと呟く様に言う


黒い兎は

まだ花びらたちを降らしている


「僕たちの存在って、何なんだろうね」


はらり はらり


「ねえ、聞いてるのかい?」


「聞いているともさ」

黒い兎は静かに返事をする


下界は雨


それもすごい雨だった


「僕たちは、ひどい事をしているんじゃ……」

白い兎のルビーの様な瞳が揺れる


「人の世は、儚い」

黒い兎は花びらたちを降らす手を止めた


そして

一枚の真っ赤な花びらを手に

それを弄ぶ


「僕たちの存在も儚い」


「だから?」


黒く細長い月の上で

二匹は見つめ合う


黒い兎の真っ青の瞳には

憐れむ色さえ浮かんでいない


「僕たちは、僕たち。そして」


白い兎は

ハッと下界を見た


「これもまた、世の理(ことわり)、なのさ」


黒く細長い月の上で

二匹は静かに

静かに

下界を見下ろしている


下界は、ひどい雨


雲の上で

薔薇色の空を背景に

黒く細長い月は


そこに存在していた


これは或る昼の出来事……

訳が分からないながらも、お読みくださりありがとうございました……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。