陽仁の危機
純さん、かなり落ち込んでたなー
滝さんと仲良かったもんな、
そういやしぐれ、翔はどうしてるんだ、あいつら…
復帰して数日経つが、中々俺の仲間は現れない
もしかして新しい敵に狙われたのか!?
俺は気が気じゃなく、しぐれに通信をした
「しぐれ!!しぐれ!!聞こえるか!?」
俺はモニターを必死に見る
『あっ、陽仁か! 今は滝さんの自室にいるぞ』
しぐれが通常通り現れた
「よ、良かったあ… 」
『なんだ?急に通信したりして』
「実はしぐれ、翔に言いたいことがあって」
『分かった、すぐいくよ』
しぐれはモニターを切った
しぐれ、滝さんに一体なんの用事が?
俺は不思議に思ったが、内心安心して胸を撫で下ろした
しぐれは考えてみれば戦闘部員、智嬉さんと同じく敵を常に追っている
そう思っているうちにしぐれが俺の部屋にきた
ガチャ
「陽仁、心配だったか?」
「しぐれ…よく無事だった!」
俺は思わず抱きしめた
「なんだよ、俺はどこにもいかないよ」
「しぐれ、なんで滝さんのとこにいたんだ?」
「…用心棒を頼まれてな」
「えっ!?」
「滝さん、能力がなくなっただろ?だから、数々の敵に命を狙われるかもしれない、ってね」
「純さんが言ってた…」
しぐれは神妙な顔で話す
「滝さん本人も、凄く心配なんだよ あれだけ強かったから」
「ただの体術では敵わないよな、普通の敵じゃない」
「俺は用心棒を続けるけど、構わず今みたいに呼べよ?俺はあくまでもお前のチームだ 気にしないでくれ」
しぐれはそう言って、テレポートで滝さんのもとへ戻った
「滝さん、どうか、無事で…」
「お前、他人の心配をするより自分の心配をしろよ」
その時、聞き覚えのある声がした
白いジャケット、白いパンツスタイルに、青いタンクトップに長い髪……
「あ、あなたは…!!?」
「ああ、俺だ 帰ってきたんだよ 陽仁」
ニコッと笑った
だが、しかし、どこか雰囲気が違う…
なにか、邪悪なものを感じる
「どうした?近寄らないのか?」
いつも既に、武器を持たない、オーラも出さない お前は…
「お前は偽物だ!! 姿を現せ!!"三節斬"!!」
俺は武器、三節棍を取り出し、滝の偽物に薙ぎ払う
「くっぐう……」
滝(偽物)は仰け反った
「やったか!?」
「見破ったなあああ!!」
その時、敵は俺を押し倒した
「あぐっ!!?」
ドサッ
「ふ、ふふ…」
「そこまでだ!!!」
「なに!!?」
赤いジャケット、金髪に、切れ長な目…
「あなたは…」
「兄になりすますなんて、上等じゃんか!!かかってこい!!」
兄!?滝さんの弟!!?