司令官として
俺は一旦能力者施設から離れ、圭介の住んでる家へ向かった
「ま、前までは兄さんもいたから、まだまだ兄さんの私物もたくさん残ってるんだ、もしかしたら荷物取りに兄貴来るかもしれないけど」
俺は少し苦笑して
「はは、いいよ、…」
「司令官?」
良くなかった。
俺は滝に出逢えば、頼ってしまう危険があった
そう考えている途中、もう圭介の部屋に着いたらしい
「さ、上がって 大分散らかってたけどこれでも片付けたんだ」
「お邪魔します!」
兄弟でこれでもタイプが違うのか…と愕然した
滝は殆ど物が無かったが、圭介はかなり生活感が溢れていた
「年頃の部屋って感じだなあ」
「司令官もそんなもんだろ?」
「俺は」
と、後ろからポン、と頭を撫でられた
「やあ、陽仁、来てたんだな」
「その声は…」
後ろを振り向くと
「滝!!なんで!?」
<挿絵>
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「いやこっちが聞きたいよ なんだって弟の部屋に」
滝はすっかりショートになり、カジュアルな服装になって印象も変わった
「滝…すっかり別人になったな」
「元能力者とは思えないだろ?せっかくだし3人で理恵華のカフェ、行かないか?再開したんだって」
理恵華とは滝の幼なじみである
「じゃあ、行こうか!」
ーーRIECA'scafe
「いらっしゃい! あら!滝!?」
「よう、久しぶりだな」
「あなたすっかり髪を切って…まるで学生時代を思い出すわ」
そうか、幼なじみではこっちが自然か
「…翔、しぐれ…あいつらどうしてるかな」
「陽仁?」
小声で言ったつもりが、滝に聞こえていた
「ごめん! 司令官としてどうしても、仲間が心配で!圭介!あとで合流しよう!」
「わ、わかった!」
俺は足早にカフェを離れた
「…一端のリーダーになってるじゃないか 俺がいなくても立派に戦えるよ 陽仁」
滝はそうひっそり微笑みながら呟いた
俺は勢いよく走りながら、通信機で翔を探す
「翔!翔!聞こえるか!?」
『なんだよ?陽仁…じゃなかった、司令官か!』
思ったより時間かからずに通じた
「良かった、通じた、今、どこにいる!?」
『今?新しいほうの施設にいるけど… 今は来ないほうがいい!!』
走っていた足を止めた
「どうして?」
『司令官、あんたは逃げてくれ!!でないと…』
「翔!?翔!?一体、何が!?」
話している途中で通信が切れた
「翔…待ってろ、すぐに行くから!」
俺は新施設の警報を鳴らして全力で走った




