始まり
回想
滝はとある晩、俺が司令官と決まる前純と電話をしていたようだった
「あいつらなら大丈夫さ、陽仁はしっかりしてる俺なんかよりな」
『今回の敵の時も、絶対にひるまなかった 大したやつだよ』
「だから…俺たちはもう、いなくてもいいんだよ」
『滝…』
「今回で、さよならしようぜ、純 残りの能力は、陽仁に使ってもらおう」
新施設は司令官と相談した中そのまま残しておく方向にした
寮として使っていくらしい
また新たに敵と戦う為に…
「陽仁、今度からお前が司令官だ」
「はい」
新施設の司令官室の中で司令官はそう言い放った
「私はこのまま私の住んでいた所に帰るが…通信で通じるから、大丈夫だ。 なにをやって欲しいかはデスクを見てくれ」
「了解しました」
「陽仁… 正直、私は安心している」
「は?」
俺は一瞬素が出てしまった
「いや、なに、滝はずっと希死念慮のまま戦い続けてきたからな…常に死にたいと考えて生きてきて心配だったのだよ。 本音を言うなら、早く陽仁に切り替えたかった」
思いもよらない言葉に、言葉が詰まった
「司令官…」
「私のことは、どうかシルヴァと呼んでくれ」
「シルヴァさん…」
「死にたいと思う気持ちは分かる だが、そんな思いでは敵に殺られる 陽仁、どうか、いつまでも気を確かに持っていてくれ」
シルヴァさんは俺を強く抱きしめた
「俺も…迷ったことがあります。でも、今は司令官になった以上弱音は吐きません」
「陽仁… 頼んだぞ」
そう言って、シルヴァさんはきびすを返した……
デスクを見渡している途中、圭介さんが現れた
「よう、陽仁、話は済んだか?」
「圭介!」
「あのさ…陽仁に司令官を要望したのって、兄貴の願いでもあるんだよ… 純さんもな」
俺は一呼吸したあと、ひっそり呟いた
「滝…」
「俺は全力で司令官を守る いや、守らなきゃいけないんだ」
「ありがとう!」
突然ふと俺は手を腰に置いて(そういやこいつの事、滝の弟以外俺はなんにも知らないぞ…?)と考えが浮かんだ
「なあ、圭介、お前のこと知りたいんだ 敵が来ないうちに色々知っておきたい」
「司令官… まさか、俺に興味あるのか…!?」
圭介は突然ギョッとした表情になった
「ち、違う!!そういうことじゃなくて!!君のことまだなんにも知らないからだよ!!」
「あ、ああ…そうか、そうだよな 兄貴に聞けば早いと思うけど… なるべく会いたくない、だろ?」
兄貴は"蒼山滝" 滝とはもう…
「滝に会えば、俺は必ず頼りにしてしまうだろう…」
木の影からひっそり、ある人物がその様子を見ていた
「陽仁…」




