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その6
あれから一ヶ月。
あの人はまだ来ていなかった。
何を見ても、何をしても、あの人のことを考えている自分がいた。
表情豊かで、優しげで、あったかい。
でも、それも今は見れない。
思い出の彼は、とても輝いているのに。
時折、わたしの家にはほかの宇宙船が来ることもあった。
言葉の通じない彼のことを聞いてみても、知っている人は誰もいなかった。
名前も知らないあの人。
どうしてもっと、知ろうとしなかったのだろう。
どうして、同じ星の人として、生まれなかったんだろう。
「何かその人の持っていたものとかない?せめてどこの人かわかれば調べようがあるんだけど」
そういわれて、はっとして、あの紙を差し出した。
「わかった、調べてみる。」
気のいいパイロットは、紙をそっとカバンにしまった。
「お願いします。」
希望が少しだけ出てきた。
もしかしたら何かわかるかもしれない。
小さな希望を胸に抱いて、パイロットを見送った。
あと2話かな?




