その1
宇宙には色んな人がいる。
僕はあの星に住む、彼女に会いたくて、今日も宇宙船に乗る。
彼女は小さな星に住んでいる。
回るのに、1時間歩けば同じ場所に着く、そんな星だ。
そんな小さな星だから、星に近づけば、彼女の住むオアシスがすぐわかる。
僕の星にはない、カラフルな球体の建物の中に彼女は住んでいた。
僕の宇宙船が近付くと、彼女は家からでてくる。
でも、言葉は通じない。
表情もあまり変わらない。
だからいつも一輪の花を彼女に手渡す。
今日はコスモス、昨日はカーネーション。
明日はチューリップにしようかな。
少しの間、僕たちは外にある岩のようなものに座り、話をする。
お互い何を話してるかはわからないけど、同じ時間を過ごせることが嬉しかった。
今日も話をしたあと、宇宙船に乗り込もうとしたとき、彼女から石を渡された。
ガラスのように透明な石だ。
光に透かしてみると、七色に輝く。
綺麗だ。
「くれるの?」
かえってきた言葉はわからなかったけど、答えはわかった。
「ありがとう」
きっとこれはいいものだ。
少なくとも僕にとっては。
僕は宇宙船に乗り込むと、操縦席にその石を置いた。
いつもの帰り路が、カラフルに見えた。
電車の中で思いつくがままに筆を走らせたもの。
設定気に入ったので、もうちょっと書いてみることにしました。