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no pain,no gain

ゴツ男は罰ゲームを受けているのか?

はたまた、空から落ちてきた小汚いヤンキー3人を偶然にも受け止めてしまったことで、絶対服従の主従関係でも結ばされたか。


「わたしはここに残る。御覧なさい。

散らかったゴミや、こびりついた汚れは割れ窓理論でいう所の割れ窓なのだ。

わたしはここをひび一つない窓にする」


そういって、ゴツ男は屋上のゴミを愛おしそうに見つめる。むふーへ送った一瞥を彷彿させる。


「ツヨシぃ?なにすんべ笑 ぎゃはー」

ぎゃはーの言葉はゴツ男を通り過ぎて虚空に消える。


ゆっくりとした足取りで、ポテトチップスの袋の元へとゴツ男は歩いて行く。


「おい!おい!まさか!いひー!」

食欲の残骸を見下ろすと、ゆっくりと腰をかがめ。


「む!むっふー!!」

拾い上げる。


一連の光景を見届けたぎゃはー、いひー、むふーは満足そうに階段を降り、校舎へ戻っていたった。


その後もゴツ男はゴミを拾い続けた。


もはや、こいつが、俺を殺したやつとは、思えなかった。


そうだ!今ならきっと襲われることはない。

そんな感じがする。


ずっと隠れていても謎が増えているだけの現状に焦れるのはもう限界だ。


思い切ってゴツ男の前に出よう。

そうして大きな足音を鳴らして近づく。


「おおっ!そちら様は...」

上品な言葉に、思わず背中に痺れが走る。


しかし、言葉を発せない俺は黙って視線を合わせる。物言いたげな面持ちで。


「もしや...喋れないのですか。

いえ、貴方には懺悔しなければいけない事が。

身の毛もよだつ自身の愚行を許してくれなど言えませn」


抱きしめた。

大丈夫、もう大丈夫。怒ったりしてない。


安堵の聖水が、ゴツ男の社会の窓を内側から浄化している。

そのままへたり込み、嗚咽を漏らす。


心からガンジーになっているのか。

肩に手を置き、ポケットからスマートフォンを出す。


「これは...正美さんのお友達のものですね。

どうしてあなた様が」


そう言い切ったところで、掌の中でメッセージを受信した震えを感じた。


画面が光り短文が写し出される。


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正美『これから学校いく。アレお願い!』

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