表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/18

タネを明かせばなんてことない…ことはない!


出せた(グハッ)





ツイスティング・ミソロジー

 月見里 結が入院した数日後にサービス開始となり、超大作と銘打たれた

国内史上三番目のVRMMOである。

制作会社はワールド ゲーム コーポレーション通称WGCである。

新興のベンチャー企業であったが、VR機器の開発を成し遂げ、その特許を元に

急成長を成し遂げた企業である。

社名の由来は海外進出を機に改名し、()()()に進出したからである。

そのWGCが最新作として発売する《Twisting・(ツイスティング)Mythology(ミソロジー)》、ソフトは発売初日

から売り切れ続出、ダウンロード版は存在しないので初回出荷分の売れ行きは

凄まじいものだった。


 その大まかな設定としては、剣と魔法の世界に科学技術が持ち込まれ、紆余曲折

を経て終末戦争が起こり、文明がリセットされて所々に科学要素が残る剣と魔法の

世界でプレイヤー達は冒険を繰り広げる事となっている。


 そんなオンラインゲームの始まり街 プラネティア から西に30分の場所に

「困り森」と呼ばれるフィールドが存在する。

始まりの街の近場の割には北の草原のmobより数レベル上のmobが出現するが

経験値はあまり高くないのに加えて、クエストやイベントとの関連性が確認

されなかったという情報がベータテスターから流されたので、

殆ど人が寄り付かないある種の穴場になっていた。


 一部の聡い連中は大規模イベントや後々の特殊なクエスト等でその内訪れる事に

なるだろうと考えているので今の所は放置されているフィールドである。

そして、その推測は()()である。


 そして場面はウサギのシナリオ受注場面へ……。













『立ち去らぬという事は過去を……、全てを知る覚悟があるのですね

 大いなる定めに囚われ、二度と引き返せないのですよ?』


 おっ、若干物腰が柔らかくなったな。でもこの問いかけってラスボス前に

よくあるやつだよな〜。


「構わないさ、それにその程度の理由じゃ、逃げ帰る程じゃあないよ」


 イベント前に装備とか経験値無くすのにビビって帰る連中とは一味違う、

今の状態が経験値全然ないのと装備も貧弱だから言える事だけど……。


〔《童話級(グリム)ユニークシナリオ:囚われし油守りの巫女》を開始しました〕


 さてと、シナリオもスタートしちゃったみたいだしちょっと脳みそフル回転

していきましょうか。


『そうですか、ならば……そう遠くない未来に訪れる脅威について

 語りましょう』


 脅威?ボス襲来イベントとかかな?でもユニークって事はシャレにならん規模

になるか。


『遥か昔、それこそ人と獣が手を取り合って暮らしていた時代、十二体の神獣様が

 世界の均衡を保っていました』


 十二体………干支十二支の事か、だとしたらこのイベントのボスは十二体の線が

濃厚になってくるな。規模はレイドクラスと見ていいだろう。


『しかし、メンドリアの一団がやって来てから全てが変わってしまった』


 メンドリア?随分とサボり癖のありそうな名前だな。

一団……、プロローグの科学の徒っていうのはメンドリアの事かもしれない。

今後の資料とかになりそう…覚えておく必要があるかも……。


『メンドリアは持ち込んだ技能の数々を以って我等に大きな確変をもたらした』


 ここはプロローグと同じか………と、なると問題は”一つの大きな戦い”に

関する部分だろう。


『だが、有ろう事か奴等は神獣様を排しようとした、今となっては理由の程も

 定かではない……我等には不可侵たる神獣様と争おうとする輩の話を聞く気に

 ならず、碌に理由も聞かなかったのだから』


 何処と無く哀しみを帯びた声であった……。

何かあったのだろう。


『我等は間違っていた……神獣様達が暴れ出すまでその誤ちに気づけなかった』


『神獣様は当時の国家の九割九分を壊滅させ、メンドリアによってもたらされた

 恵みもまた、失われた』


『我等が神獣様との対話を試みようとする内にメンドリアは神獣様の魂をその技巧を

 以って、機械仕掛けの体に封印した』


『しかし、封印された神獣様の魂はその器たる機械仕掛けの体でさえ直ぐに

 掌握し、動きを止めるには至らなかった』


『そして、メンドリアは我等にこう言ったのだ「もしこのまま貴方達の神獣様が

 暴れ続ければやがて世界は終わりを迎える、そうなりたくなければ魔力の高い

 生贄を神獣様の…魂の抜けた肉体と共に封印するのが最も良いだろう、きっと

 神獣様は世界を滅ぼすなんて望んでいないだろう」と』


『そして神獣様の巫女で王国一の魔法の使い手たる私が生贄として選ばれた』


『しかし、メンドリアは私を封印する段階で真実を暴露しました、曰く、私が

 神獣を暴走させたと、曰く、神獣への唯一の対抗手段である私を邪魔な神獣

 と封印すると、曰く、これで世界は救われると……』


『私にはメンドリアの心の内が分からなかった、だが、体を奪われ 魂を機械仕掛け

 の体に封じ込められた神獣様の心は分かった……共に封印され悠久にも等しい時

 の中で繋がりを得た私には痛い程…理解できた』


『メンドリアへの憎しみ……ただそれだけです』


『さて、メンドリアが神獣様と私に封印を、機械仕掛けの体からは動力源の

 抜き取りを施しました』


『そして、私の封印が部分的にではありますが徐々に解けています、これは

 神獣様の機械仕掛けの体に再起動が迫っている何より証拠です』


『動力源を抜き取られたとはいえ神獣様はそれすらも克服しているでしょう』


『今再び この地に訪れし者よ、迫り来る危機は伝えました

 後は成したいように事を成すといいでしょう』


 少し黙って聞いていれば……。


「いいわけないっ!」


 さっきからずっとこの調子だ。


『一体何を……?』


「お嬢さん、貴女が言ったのは情報はとても大切な事だ」


 確かに今後現れるボスモンスターやイベントの詳細な情報はとても大切な事だ。

街に到達するとしたらプレイヤー以外にも重要な事には違いない。

でも……そうじゃないんだ。


『ならば一体何を怒っているのですか?』


()()()()()()()()()()?」


『………』


「答えてくれ、メンドリアへの復讐か?それとも世界を救う事か?いずれにせよ

 今の説明に貴女の意思は殆どなかった、僕は君の心の内を知りたい!」


 ずっと悲しそうに話して、してしたいようにすればいいだ?

それじゃあアンタが救われないじゃあないか……ずっと 封印されたままで

いいのか?違うだろっ!!


『………私は……』


『私は、知りたい……メンドリアがあの人が何を成し遂げたかったのか』


「知ってどうする?」


『分からない、でも知ることは叶わないわ、私はここを離れられない、永き時を

 経て今尚 封印を維持するのは私の使命、楔たる者の定め……』


「諦めるなっ!」


「使命、定め、そんな事は()()()()()()、悲しみに暮れ、囚われ続ける物語なんか

 必要ない、そんな物語 僕が残さず読み込んで(ハッピーエンドの結末)最後にきっちり(でみんなまとめて)締めてやる(終わらせる)!」


『期待して……いいの?』


〔《御伽級(フェアリテイル)クエスト:思いは動力機関》を開始しますか?〕


 巫女を救うクエストね……やってやろうじゃないか。


「ええ 待っていてください、世界も貴女も神獣も全部まとめて救います」


〔《御伽級(フェアリテイル)クエスト:思いは動力機関》を開始しました〕


「そういえばまだ名乗ってなかったね、僕はリードよろしく」


『私は……フィアフェスタ王国 第三皇女 神獣の巫女 アスタナよ』


「アスタナ……待っててね、必ず真実を届けてみせるから」


『じゃあ、待ってるわ 久遠の彼方の更に果て、歩いて行けないこの場所の

 ノアの封印の間で……』


 ふう、一仕事終わった………あっ、どうやってここから出るのか聞くの忘れてた。

まあ、今回はユニークゲットって事で落ちよう(ログアウト)

そもそも数時間ずっと探索続きだったし……。







 そして彼がログアウトして数秒後……。


〔全プレイヤーの皆様方にお伝えします。プレイヤー名:リードによりユニーク

 シナリオが開始されました。

 従って、《ワールドシナリオ:ツイスティング・ミソロジー》が開始されます。〕



 ()()()()()()()




 

設定ゲロっちゃった


《童話級ユニークシナリオ:囚われし油守りの巫女》

それは全ての始まりで終わり、この世界の物語の中心であり、いわば “本編”。

あらゆる結末が有る中で彼は最も正しい選択をした。余談だがあの会話の中だけで

20通りの分岐があったが見事にトゥルーを引き当てた、否 “読み込んだ“と言うべきだろう。


《御伽級クエスト:思いは動力機関》

トゥルーのルートを選択した場合に発生する特殊クエスト。

攻略条件は”十二体の「機巧神獣」……


こっから先はまた後日、次の投稿は正月明けその少し前……。

多分それ以外はトイレの住人なので間に合わなかったら……悪しからず。


追伸になりますが別作品は少し遅くなります。こちらは本当申し訳ない

しばしお待ちいただけると嬉しく思います。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ