表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

1話 僕たち3人組

きらきらねーむ☆おんらいん




時は午後五時、学校の授業自体は終わって、とある生徒は部活に励み、とある生徒は放課後の学習に精を出しとある生徒は友人と楽しく遊んでいる時間である。


高校2年生の僕斉藤タカシは、冒頭に述べたようなことはせず、コンビニでお菓子と飲み物を買い込み

のんびりと家に着き、2階にある自分の部屋に行き制服をハンガーにかけ部屋着に着替えカーペットに寝転んだあたりである。

 

僕は現在父と母と兄そして僕の4人で暮らしている、父と母は働いており、帰ってくることが遅いことも多い、兄は大学生で実家には住んでいるけど遊び歩いたりしてあまり帰ってこない。

よって僕は家に一人でいることが結構あるのである。


もちろん勉学に励むこともなく、部活動もしていない僕がすることは・・・・・・。


もちろんゲームである。半年前最新技術を盛り込んだオンラインゲームが発売、サービス開始した。

五感に作用し、限りなくリアルに近く、かつリアルから遠い。そんなヴァーチャルリアリティー技術を

このNew The Earth Online 通称NTEオンラインは最大限に生かしたゲームである。


ヴァーチャルリアリティーの技術は素晴らしいものでプレイしている間は現実と同じような感覚。その現実感はゲームとは思えないほどである。


今までの決まりきったセリフを吐くゲーム内に登場するキャラクターたちも人間の思考力とほぼ同じであるAIを与えられ、今までのゲームとは一線を画していた。


ゲームの世界はシンプルなファンタジーであるが、発売初日からプレイ人口は爆発的に増加し

決して安くは無いマシン一式も飛ぶように売れ、現在世界中にプレイヤーがいるらしい。


僕は半年前運よく父さんが仕事上でつきあいのある人から貰ってきたものを手に入れている。

そうして半年前からちょくちょくプレイしているというわけなのだ。


しばらく、寝転んでから10分も立たないころだろうか、僕は寝転がっていた体を起こし

自分の机の上においてある、ヘルメットにいろいろとコードというかごてごてとついたようなものを手に取るとそれを頭にかぶり、事務用のくるくるまわる背もたれ付きのいすに座るとそのコードの一部が

繋がっている機械(机の下にある)についているスイッチを押す。


するとヘルメットの中から機械的な女性の声が聞こえてくる。


「ニュージアースオンラインへようこそ。これからログイン処理を開始します。リラックスをして

お待ちください。」


しばらくすると僕の意識はすとんと落ちた。


どのくらいたっただろうか、急に目の前の暗闇が晴れ、目の前に自分の部屋ではない光景が広がる。

ゲーム内での装備に身を包んでいるが、感覚としては現実にいるのとなんら代わりが無い。


2階建ての家のとある部屋の一室、古ぼけた木のフローリング、窓が外の光を取り込んでおり

ここでの灯りであるランプを使う必要も無い。

現実ではもう5時を過ぎたころだろうから、こんな昼間のような光はないし、そもそも僕の部屋じゃない

まあつまりログインに成功したということなのだけど。


四角い木の(ぼろい)テーブル一つにいすが囲むようにある部屋であり既に椅子2つには先客

が座っている。ここは僕たちの拠点である家のリビングで大体は皆ここに集まっている。


「君たちもう集まってるの、ずいぶん早いんだね」


ログインした僕は目の前にいる先客たちに声をかける。話を中断して彼らはこちらを向いた。


「タカシwwwwおせーよwwwww」


最初に答えたこのすごい草をはやしながらしゃべる人はクラウドくん、実際に話してるから

普通に笑ってるだけなんだけど、この人が笑うとwwwwという文字が浮かぶ。なんでだろう。

ちなみにこのクラウドくん、昔のとある有名ゲームの主人公にあやかってつけたらしい。


そのような名前にしたということはさぞかしかっこいい感じになっているのだろうと思うだろうけど。

このNTEオンラインは現実と剥離する姿にした場合感覚がおかしくなり、身体的にも

重要な障害が起きる可能性があるとかいう理由では現実の容姿とかけ離れすぎたキャラメイクは

出来ないという素敵(?)仕様な為、クラウド君はガタイのいいパツキンの兄ちゃんである。


後金髪にしていて、革のジャケットを上に羽織って、黒目のズボンを履いている。

なんか深夜のコンビニとかにいそうな感じがする。


そんな見た目の芸人がいたような気がするなあ。サ○ドウィッ○マンだっけ。

ちなみにこのゲームを始めて、最初にPTを組んだのが彼で、そのあと最初にフレンドになったのも彼

なんだかんだゲームの中では長い付き合いだと思う。


ちなみに僕は現実とまったく変わらない。ちょっと身長が小さい、細めの普通の男子高校生である。

学校の先輩にかわいいといわれたのが地味にショックな僕である。


「君たちが早過ぎるんだよ、だって大体僕が一番遅いじゃないか」


「ニートの俺に時間を合わせろ」


「何言ってるのさ、それにクラウドくんは大学生って言ってたじゃないかニートっていわないよ」


「ニートみたいなもんだよ、大学生なんてモンは」


クラウドくんがむふっとした顔で笑う。

高校生の大学生へのイメージを下降させ続けてるなこの人は。


「まあまあ彼も忙しいんだから」


と言いながら労ってくれているのはどうみてもおじさんな彼。

髪は短めでオールバックにしており、顔にも社会人として揉まれてきた様子が刻まれていながらも

彼本来の柔和な感じがよく出ているそんな感じの人だ。


服装は拠点にいるということもあって、フード付きの部屋着を着ている。

彼の名前はおでん。なんでそんな名前つけたのか聞いてみたけど、昔のオンラインゲームは

適当に名前考えている人が多かったみたいで、お菓子の名前とか使う人も多かったみたい。


おでんさんはキャラメイクの時にそういえば夕飯おでんだったなあ……とかそんな理由でつけたらしい。

彼はこういったヴァーチャルリアリティといった技術を使うオンラインゲームが登場する前から

オンラインゲームを楽しんできたという経歴の持ち主で、この中では一番頼りになる存在で

歳のこともあってか皆を守る保護者といった感じも受ける。


「といってもあまり忙しくはなかったけどね、家でゴロゴロしてただけだよ」


「まあそんなこったろうと思った」


「しかしおっさん、おでんっていう名前もなかなか案外似あってるんじゃないかと思ってきた。」


唐突にクラウドくんがそんなことを言い出す。


「クラウド君、唐突になんだい?」


「だってよ、あと何年も経てばおっちゃんの頭もおでんの卵みたいになるしな、出汁が染みた色合いなんてぴったりだぜ」


クラウドくんがぐふふと笑いながら

唐突にめちゃくちゃ失礼なこと言い出す。彼の年上の人とかでも

全く気にしないスタンスはちょっとすごいと思う。


「ハッハッハ!クラウドくん言うねぇ!」


おでんさんも特に気にしてる様子もなく軽快な笑いを飛ばしている。やっぱりこの人は大人だなあ。


「まったく……クラウドくんはもう少しこう……目上の人とかさあ」


「いやいやタカシくんあまり気にすることもないよ」


「うーん、でも……」


まあクラウド君に何いってもあまり意味無いけど


「そうだぜタカシ、おっさんもこういってるんだ。」


うーん、君に言われるとなんかもやっとした気持ちになるね。


俺達はこのゲームの中で大抵3人一緒で行動している。いやいたりいなかったりする人が

一人いる。まあ今日は居ないみたいだけど。


「それじゃあじゃあ今日のところは何しようか?」


「クラウド君とも話してたのだけどね、クラウド君がなにか面白いものを持っているらしいんだ」


「え、そうなの!早く言ってよそういうことは」


「いや、お前来たばっかりだろ」


「まあ細かいことはいいなじゃない」


「それもそうだな、実はこれだ……っとどこにしまったかな」


そう言うとクラウド君はオープンと呟く、するとクラウド君の目の前に不思議な四角い枠が表示される。

そこをのぞき込むと、パソコンの画面みたいになっており、様々な文字が表示されていて、アイテムや

装備、ステータスなどといったものが表示されている。


これはいわゆるメニュー画面というやつで、これの扱いはこのゲームでは必須なのである。

装備の着替え、アイテムの取り出し、ステータスの確認、様々なことがこの画面一つでできるように

なっている。実際これがあるからゲームなんだって実感するような気がする。


そして自分の道具袋をゴソゴソと漁り始め、テーブルの上にごとっと透明な丸い水晶

みたいなものを置く。それなりに綺麗だけど……これが面白いものなのかな。


「……クラウド君これ何?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ