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「ほら、秀秋さん」
みかはわらっている。
「私は、死なないのです」
みかはわらっている。
「秀秋さんに殺されたから」
みかはわらっている。
「秀秋さんに、殺されたから」
みかはわらっている。
きもちわるい。
みかのからだは、透いている。
段々と絞まっていく、透いている首元。
まえみたいな、かおがない。感触は、あるというのに。
くるしそうに、喘がずに、増しては笑顔で。
美香は気持ち悪いほどの笑顔をぼくに見せつけながら。
笑って見せ。
喉奥に詰まった言葉を途切れ途切れに口から紡ぎだしながら。
美香の口奥には涎が溜まっていて、今にも零れそうで。
なのに、どうして、わらっている。
どうして。
「ドウシテ?」
「どうして?」
「ドウシテ? ドウシテ? ドウシテ? ドウシテ? ドウシテ?」
美香の首は。
円を描く、そして、折れる。
おれてしまった。
ごぽり。




