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一番辛い時、側にいてくれた貴方へ・・・

作者: 美花

お久しぶりです。

元気にしていますか?


 今日、久しぶりに貴方が部活へ来て、久しぶりに貴方の姿を見て、とても嬉しい気持ちになりました。

 私にはもう、感情など無いと思っていたのに、貴方の姿を見ただけでこんなに浮かれてしまったのです。

元気にしていますか?

 二人で育てていたオデブな猫は、ダイエットに成功しましたか?

 ちゃんと部屋の掃除をして、ごはんも食べていますか?

 貴方は家事に少しいい加減な所があったので、とても心配しています。

 これじゃあ、お母さんみたいですね。ごめんなさい。




 貴方は、自分を責めてはいませんか。

 貴方はとても優しい人だったから、行かないでと泣き叫ぶ私を突き放したことで罪悪感にかられていたかもしれませんね。もしそうではなくて、清々したと思っているなら、それはそれで私は構いません。


 ただ、もし、貴方が罪悪感にかられ毎日鬱々と暮らしているなら、私は耐えられません。


 確かに、私はあの頃とても大変な時期でした。

 虐待を受けたトラウマを心の中にしまいながら、家族との関係もあまり良くない状態で、いっそ、このまま死んでしまおうかとも思いました。



そんな中、貴方に会いました。




 私が誰にも打ち明けなかった秘密や、苦しみを、まだあまり親しくもなかった貴方に話せました。


 何故あんなにスラスラと話せたのか、今でも分かりません。

 きっと、貴方の明るい心が私のドロドロした黒い感情を溶かしてくれたのだと思います。

 貴方はとても明るく、楽しく、優しい心を持っていたから、私は貴方に甘えてしまいました。


 貴方には彼女がいることも、知っていました。

 だから私は安心していました。でも、それは間違いでしたね?


私は、貴方を愛してしまいました。


今まで本気で人を愛したことなんて無かった私は、とても戸惑いました。


この感情は何なのだろう。


何でこんなにも胸が苦しいのだろう。



 答えが分からなかった私は、貴方の側にいれば分かるかもしれないと思い、貴方の家に通うようになりました。


 貴方はいつもいつも快く迎えてくれました。



貴方の優しい表情や、真剣な表情。



子供みたいに笑う姿や、抱きしめてくれた腕の男らしさ。



 私は日々貴方に惹かれていきました。

 私の一生の中で、一番幸せな時期だったと自信をもって言えます。




 しばらくそんな日々が続く中、段々と貴方は疲れていってしまいましたね。

 私が甘えすぎたせいでしょう。


 貴方は私に、彼女の事が好きだから付き合えない、と言いましたね。


 確かに間違いではないでしょうけど、それ以上に私の気持ちが重荷だったのだろうと思います。

 正直に言ってしまうと私が傷つくから、そういう風に伝えたのですね。



私は泣き叫びました。



一人にしないでって




 私は貴方がいないとダメだって、そう言って泣きました。




 貴方はとても困っていただろうに、私は何て悪い女だったのだろうと今になって思います。今になって、なんて、遅すぎますよね?



本当に、ごめんなさい。




彼女とは、ちゃんと上手くいっていますか?


 もう貴方にちょっかいを出すつもりなんてないので、安心して下さいね。

 ただ、貴方達は頻繁にケンカ別れをしていたので、少々心配です。

 相手の気持ちを試すために別れようとするなんて、後で後悔しますよ?




貴方には、幸せになってもらいたいんです。


 貴方と過ごした数ヶ月で、私はとても変わりました。


 笑顔が増え、人当たりが良くなり、家族との関係も改善されたのです。


何もかも全て、貴方のおかげです。


 出会わなければよかった、なんて、言わないで下さい。



 貴方がいてくれたから、私はこんなにも強く、優しくなることが出来ました。




本当に、貴方に出会えてよかった。



 貴方が生まれてきてくれたことに、感謝します。

 私が今生きていることに関しても、感謝します。




本当に、本当に、ありがとう。



私に幸せを教えてくれて、ありがとう。




 もう他に、望むものなんてありません。

 こんなにも素敵なものを貰えたから、私はもう十分すぎるくらいです。



ありがとう、大好きでした。




いつまでもいつまでも



貴方が幸せでいてくれますように




       ハナ

読んでくれてありがとう☆☆

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