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春にさよなら

作者: pinkmint

はじめての土地で

最初の店で食べるごはんは

いつも少し悲しい味がする



挿絵(By みてみん)




今日からは見知らぬまち

知らないにおいの風の中



あの日

キミは花の中にうずもれてた



その前日、この膝の上にいて

その前日は庭の緑の風の中

こちらに背中を向けたまま

目元までいつでも涙がたまってる私に話しかけてた




挿絵(By みてみん)





「もうすぐおわかれよ、準備はいい?」






私はこの土地とお別れ

キミは

もうじき

この世界と



夜の闇と親しむように

花韮の白色をかじるように

ティーバッグを枕にまどろむように

そんな風にキミは別れを受け入れてきたのかな




挿絵(By みてみん)





愛し愛されてきた記憶をたどりながら

やせ細った君の背中

暮れていく空

どこを見上げても

涙が止まらなくて



挿絵(By みてみん)





一週間前

キミは花に埋もれてた

別れの瞬間より

ただその記憶しかなくて

最後の時の溜息のような声と美しい瞳

空に昇って行った一筋の煙



愛し愛された7年間

キミはいつも美しかった

いつか行くから

キミの行った場所へ

必ず行くから

今はただこの言葉だけ


ありがとう








挿絵(By みてみん)









愛してる



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― 新着の感想 ―
[良い点] 控えめな表現だけれども娘さんの猫に対する愛情と、一緒に生きてきた時間が想像できそうな作品ですね。 [一言] 先日、裏路地から入ってきた通りすがりの者です。 ※最初に、この感想文は作品本文…
[良い点] 愛猫に対する愛情が、あちこちに、これ見よがしでなく、ちらほらと見え隠れする表現が素晴らしい。 [気になる点] これと言って、感じなかった。 [一言] 筆者は、二つの大切な物を失ったと読み…
[良い点] 凄くまっすぐで表現が美しかったです。 [一言] 読んでいると目に涙が……。 私も、猫ではありませんが犬を買っています。 いつか私も悲しみに立ち向かわなければいけない。 この詩を読むと勇気づ…
2010/07/21 19:06 退会済み
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