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『無気力なコンビニ店員が、裏世界では『終焉の導き手』と呼ばれている件 ~本人は電気代の心配しかしてない~』  作者: 伝福 翠人


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導き手は「味方」なのか?

男は悠斗に本題を切り出した。


「単刀直入に言おう、『導き手』。我々の『組織ファミリー』に来い。お前ほどの『無の力』があれば、この腐った世界秩序など、容易く…」


(アリアの拠点では「まずい! あの組織(裏世界でも特に危険視される過激派)が導き手に接触を…!」と緊迫している)


悠斗の視点。目の前の男が、中二病全開の単語(ファミリー、世界秩序)を並べ立てている。


(あー、これ、ねずみ講かマルチ商法の勧誘だ。間違いない。『一緒に世界を変えよう』みたいなヤツ。一番面倒くさい…)


彼の関心は「早くシフトを終えて帰りたい」ことだけ。


リーダー:「どうだ? 我々と共に…」


悠斗は話を遮り、無気力に言った。


「あー、すみません。そういうの、間に合ってるんで。…なんか、面倒なんで、いいです」


その言葉は、リーダーと、アリアの拠点の両方に響き渡った。


(なっ…!『面倒』だと…? この俺の、世界の未来を左右する誘いを…『面倒』の一言で…!)


リーダーは、悠斗の底知れない器の大きさと、絶対的な拒絶を悟り、屈辱に顔を歪ませながら店を去った。


アリアの拠点では、一瞬の静寂の後、歓喜の声が上がった。


「や、やりましたね、シスター! 導き手は、あの『災厄』の誘いを蹴った!」


アリアは、感動に打ち震えていた。


(あの組織の誘いを『面倒』と切り捨てる、その絶対的な基準…。そして何より…)


「あの方は、選ばれたのです。我々『人類』の側に立つことを…!」


アリアの中で、「導き手は人類の味方である」という決定的な誤解が確立した。



バイトが終わり、悠斗が「(今日は変な客ばっかで疲れた…)」と欠伸をしながら夜道を歩いている。


アパートの手前。暗がりから、アリアが(待ち伏せして)姿を現した。


(げ。またあのシスター…何してんだこんなとこで…)


悠斗が警戒して足を止めると、アリアは彼の前に進み出て、突然、その場(アスファルトの上)に深く跪いた。


「え、ちょっ…何やってんすか!?」


「拝見いたしました、我が導き手よ!」


アリアは顔を上げ、かつてないほどの感動と決意を込めて言った。


「あなたが、人類の側に立たれるという『決断』を…!」


(決断…? 何の…?)


「これより、このアリアが、あなた様の『盾』となります。いかなる災厄からも、あなた様の『平和(=日常)』を護り抜いてみせます!」


(盾…? この人、大丈夫か…?)


悠斗は、真顔でドン引きしていた。

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