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『無気力なコンビニ店員が、裏世界では『終焉の導き手』と呼ばれている件 ~本人は電気代の心配しかしてない~』  作者: 伝福 翠人


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導き手の「無言の圧力」

ウロボロスの潜伏先は、パニックに陥っていた。


悠斗のメモ(『なんでこんなに売れないんだろう』)を発見したスパイが、恐怖で震えている。


「間違いない…『売れない』とは、我々の計画が『実行する価値すらない』という嘲笑だ…」


「計画を変更できないか? ヤツは我々の思考を読んでいる!」


そこへ、アリアの部隊による妨害工作が完了する。


潜伏先のドアの前に、彼らが毒物混入を計画していた「缶コーヒー」(の空き缶)が、警告のように転がされた。


(アリア側からの「お前たちの計画は把握済みだ」という無言の警告である)


「ひぃっ…! すでに先回りされている! ここもバレている!」


彼らは「導き手は思考を読み、全てを先回りする」と確信。計画を放棄し、蜘蛛の子を散らすように逃走した。



アリアの拠点。


「ウロボロス、逃走」


「対象の缶コーヒー、安全な別ルートでの再流通を確保」


部下からの報告に、アリアは静かに頷いた。


(導き手は、一切手出しすることなく、ただ『棚を空にし』『メモを捨てる』だけで、災厄を退けた。そして私に『安全な流通を再開せよ』と指示された…)


彼女は、自分が導き手の「無言の指示」に応えられたことに、深い感動を覚えていた。



その頃、コンビニのバックヤード。


悠斗は、目の前の光景にうんざりしていた。


アリアが(裏で)再発注した「あの缶コーヒー」が、段ボールで山積みになっている。


「うわ、最悪…。なんでこんなに発注したんだ、店長。あの売れない棚、補充するの超面倒くさいのに…」


彼は、激増した業務にうんざりしながら、しぶしぶ品出しを始めた。


シフトが終わり、悠斗は無気力にレジに立っていた。


そこに、客としてアリアが(いつものように)訪れる。


アリアはレジで商品(いつもの水)を差し出す。


悠斗が会計を済ませた、その瞬間。


アリアは、こみ上げる感謝を抑えきれず、悠斗に対し、その場(レジカウンター越し)で深々(90度)とお辞儀をした。


「あなた様の無言の指示に、心より感謝申し上げます」


「………」


悠斗は、お釣りを渡そうとした手のまま固まった。


(え…? この人、ポイントカードか何かの話してる…?)


「……え、何かしましたけ?」


アリアは、悠斗の素の返答に(勝手に)感動していた。


(あぁ、導き手にとって、今回もまた『何もしていない』に等しい些事なのだ…!)


悠斗は「(やっぱ変な客だ…)」とだけ思った。

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