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『無気力なコンビニ店員が、裏世界では『終焉の導き手』と呼ばれている件 ~本人は電気代の心配しかしてない~』  作者: 伝福 翠人


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コンビニの棚は、世界秩序の縮図である

悠斗は、特定の棚の前で面倒くさそうに立っていた。


マイナーな缶コーヒーや栄養ドリンクの棚。在庫が切れている。


バックヤードには在庫があるが、その棚は店の隅で補充が面倒くさい。


(あー、あの棚、補充するの面倒だな…。どうせあまり売れないし、次のシフトの奴がやればいいか)


彼は補充作業をサボり、結果としてその棚だけが綺麗にからになった。



その頃、ウロボロスのアジトでは。


テロ失敗(というよりドン引きによる敗走)を受け、別働隊が新たな計画を立てていた。


「派手に動きすぎた。今度は『静か』に『確実』に、あの聖域コンビニを汚染する」


彼らの計画は、悠斗のコンビニで流通している、特定の「マイナーな缶コーヒー」(=悠斗が補充をサボった商品)に、遅効性の異能毒を混入させる、というものだった。



コンビニ店内。


監視中のアリアが、例の「空の棚」に気づく。


(…! あの棚だけが、まるで最初から『存在しなかった』かのように空になっている。これは…?)


彼女が部下に緊急調査を命じると、ウロボロスが「その缶コーヒー」を使った毒物混入計画を進めている情報と一致する。


(まさか。導き手は、ウロボロスの計画を予見し、我々に警告するため、自らあの商品の『流通を止めた』というのか…!)


アリアは、これを悠斗からの警告と受け取った。


彼女は部隊に命じ、ウロボロスの計画を妨害すると同時に、安全な正規ルートから、その缶コーヒーを(裏で)大量に再発発注(=流通を再開)するよう手配した。



一方、バックヤード。


悠斗は、在庫管理端末を見ながら首を傾げていた。


データ上、バックヤードに在庫が山積み(補充してないから)なのに、全く売れていない(棚に出してないから)ことになっている。


(なんでこの缶コーヒー、こんなに売れないんだろう。不良在庫じゃん…)


彼は、その在庫管理票の隅に、殴り書きでメモを残す。


『あの棚、なんでこんなに売れないんだろう』


彼はその管理票を(どうでもいい書類として)ゴミ箱に捨てた。


その夜。


ウロボロスのスパイが、最終調査としてコンビニのゴミを漁っていた。


彼は、悠斗が捨てた在庫管理票のメモを発見する。


『あの棚、なんでこんなに売れないんだろう』


(『売れない』…? まさか、我々の計画が『実行する価値すらない(売れない)』と…?)


スパイは、このメモを「導き手が、自分たちの矮小な計画を把握し、あざ笑っている」という、絶対強者からの『嘲笑』だと誤解した。


(我々は…監視されている…!?)


スパイは恐怖に顔を引きつらせた。

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