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『無気力なコンビニ店員が、裏世界では『終焉の導き手』と呼ばれている件 ~本人は電気代の心配しかしてない~』  作者: 伝福 翠人


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裏世界の検索窓、シスター・アリアの深読み

『導き手の『無の力』、恐るべし』


ウロボロス撃退後、アリアの拠点はその話題で持ちきりだった。


「シスター、あの方はなぜ、あれほどの力を持ちながらコンビニ店員などを…?」


部下の問いに、アリアはレジを打つ悠斗の(監視)映像を見つめながら答えた。


「それは、あの方があの場所を『聖域』と定めたから。そして……」


彼女は、悠斗の「欠伸」や「ため息」の映像をアップにする。


「この『無気力』。これは単なる無気力ではない。『諦観』です」


「ていかん……?」


「そう。起こりうる全ての未来、全ての災厄を見透した上で、ただ『その時』を待っておられる。我々がウロボロス程度で騒いでいたことすら、あの方にとっては取るに足らないこと……」


アリアの中で、悠斗の「無気力」は「全知ゆえの諦観」へと昇華された。



一方、その悠斗。


彼は今、バイトで最も面倒な作業の一つ「廃棄チェック」に取り掛かろうとしていた。


賞味期限切れの弁当やおにぎりが詰められたカゴを前に、深いため息をつく。


(あー、めんどくさい。なんでこんなに廃棄が出るんだ…。スキャンして、一個ずつゴミ袋に突っ込むの、マジで手が汚れるし…)


彼は、死んだ魚のような目で、無心でバーコードスキャンを開始する。


その様子が、アリアの監視カメラに映し出されていた。


彼女の目には、悠斗が廃棄弁当を一つ一つ手に取り、厳しく吟味しているように映る。


(悠斗は「この弁当、タレがこぼれそうだな…」とか「このおにぎり、米がカピカピだな…」としか思っていない)


悠斗が廃棄品をスキャンし、専用のゴミ袋に「捨てる」姿。


アリアの脳裏に、『終焉』の神託が蘇る。


(まさか……!)


アリアは戦慄した。


(『終焉』とは、世界的な食糧難の到来…?)


悠斗が面倒くさそうに廃棄品を眺める姿が、アリアには「終末の食糧難に備え、人々が口にすべき『神の食べ物』と、汚染されて『捨てるべき食べ物』を、あの方が自ら選別されている」姿に見えていた。


「報告」


拠点に戻ったアリアが、部下たちに厳かに告げる。


「導き手は、来るべき『終焉』…すなわち世界規模の食糧難に備え、『神の食べ物』の選別を開始された」


「なっ…! では、あのコンビニは『終末のノアの方舟』だと…!?」


「その通りです。我々は、導き手があの聖域で選別される『神の食べ物』の行方を、全力で監視せねばなりません」


アリアの悠斗への崇拝度は、さらに深まっていった。

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