第2章 王に贈る“未来”
これはAIが書いたものです
イストリア王国の王宮は、石と木材を組み合わせた質素な造りだった。栄光の時代は遠く、今や貴族たちの私腹の温床と化している。
大広間の奥、病に伏した王がいた。まだ壮年のはずだが、肌は青白く、目に力がない。
「お前が“予言者”か……」と王が弱々しく尋ねた。
「は。名はレイ。天より導かれし者にございます」
嘘だ。天どころか絞首台から来た詐欺師だ。
「昨今、王国の未来が揺らいでいると聞き、是非お力添えをと……」
王は苦しげに咳をしながら、臣下に目配せする。取り巻きの一人が口を開いた。
「王が信を置くには、確かな“証”が必要だ」
来たな、想定通りだ。
間宮――いや、レイは懐から一枚の紙を取り出した。古びた羊皮紙に見えるが、実は自作の“加工品”だ。
「これは“未来の記録”です。三日後、この城の井戸に毒が仕込まれ、侍女三名が倒れます。犯人は……宰相の息子・ラルク殿」
その場が凍った。ラルクは思わず声を荒げた。
「ば、馬鹿なっ! 私がそんなことをする理由が……!」
「動機は“王位簒奪”。王の体調不良に乗じて、実権を握るつもりだったのでしょう」
顔を青ざめさせたラルクは、しどろもどろに否定を繰り返した。だが、その時点で「疑念」は植え付けられた。もはや詐欺の七割は完了したようなものだ。
もちろん、毒など誰も仕込まない。レイが裏で侍女に軽い下剤入りの菓子を配るだけだ。
数日後、侍女が倒れ、井戸が封鎖された。そして王は言った。
「レイよ。そなたを我が宮廷預言官に任ず」
この国の中枢に、レイの椅子が生まれた。
*
その夜、レイは宮廷の一室でワインを傾けていた。貴族たちのざわめきが廊下からかすかに聞こえる。誰が彼を怪しみ、誰が取り込もうとするか――そういう視線の中に身を置くのは、彼にとって“日常”だった。
「この国は壊れてる。なら、俺が新しい秩序を“嘘”で作ってやろう」
剣も魔法もいらない。ただ、言葉と仕込みで世界はひっくり返る。
かつて詐欺師と罵られた男は今、“未来を知る賢者”として、王の傍らに立っていた。




