5話 波動
習志野駐屯地 付近
10数台の改造車が列をなす。
さながら〝暴走族〟の車列は、派手な騒音を立て、習志野駐屯地に向かっている。
〝POSW〟の旗も飾りつけている。
連絡を受けたVOXの隊員達が、装甲車で道を塞ぎ、車列を止める。
先頭の〝86〟に隊員が押し寄る。
「どこに向かう!POSWの者か⁈」と運転手の紫の頭の男の胸ぐらを掴む!
男は、「見て解んない?〝族〟だけど?何か問題?」と、とぼけた声を出す。
「あの〝旗〟は何だ?全車両、検査させてもらう!」と隊員は、他の隊員を促し、次々と車を調べ始めた。
紫の頭の男は、「何にも無いって、薬物も、武器も!好きなだけ調べな!」と太々しい態度をとる。
暫くして、隊員の1人が、隊長であるガルシアに連絡をする。
「こちら、第三部隊、車両はPOSWとは無関係な模様です!若者の〝暴走族〟もどきです!」
習志野駐屯地
連絡を受けた、ジョン・ガルシアは、唾をはきすてる。
「どこなんだ?POSW!」と怒鳴る。
そこに、別の隊員が「隊長!成田のデータセンターに侵入者があったようです!本部から連絡がありました!」と伝達する。
「何⁈成田⁈‥三条!成田の可能性はあったのか!」と聖に怒鳴りつける。
聖は、「可能性はゼロでなかったですが、成田のデータセンターの位置をPOSWが知る事は皆無として、対象から外しておりました!」と答える。
「クソが!全隊員!成田に移動だ!」と指示を出した。
成田 データセンター
陳とスティーブは、警備員に対象物に近寄る事を遮られた。
銃を構えた警備員が、「何者だ!素直に投降しろ!」と警告する。
陳は容赦なく、「いくあるよ!ホイ!」と手に作り出した〝火球〟をデータセンターに投げ出した!
警備員は、「撃て!」と号令をかける。
スティーブは「そりゃ困るな!」と右手から、〝凍気〟を出し、警備員の銃を凍らせた!
警備員は、引き金を引いても銃弾が出ない銃を不思議がり、混乱が起きる!
スティーブは、「陳!火壁を作れ!」と指示を出す。
陳は、「ほいな!」と火球を地面に叩きつけ、警備員との間に火の壁を作り出した。
陳は、連続して、データセンターへの攻撃も続ける。
暫く、警備員達との交戦が続いた。
〝ピシ!〟
陳とスティーブの六感に反応が起きる!
「陳!感じたか⁈」
「感じたあるよ!波動を」
「Mに連絡する」とスティーブは、携帯でPOSW本部に電話をかける。
POSW 地下本部
「M!スティーブ・レンから電話が入ってます!」
と1人の女性に声をかける。
Mと呼ばれる女性は、電話に出る。
「スティーブ?何かあった?状況は?」と話す。
「波動⁈近づいているの?‥G.B.Dを‥どうするかって事ね?‥凌いでスティーブ‥
今、〝白水〟を、起こすわ‥」
Mと呼ばれる女性は、50人程のメンバーをかき分け、奥へ進む。
そこには、水に浸られたカプセルの中に白髪の〝白水〟と呼ばれる少年が居た。