10話 記憶の行方
白いステージ
三条聖は、目の前のテーブルにある〝ルビー〟の様な物を見つめる。
どこからか、声が聞こえる。
〝その石は貴方の記憶、能力を詰め込んだものです〟
聖は〝ルビー〟を手に取る。
聖は声の主に答える。
「俺は何処にいくんだ?これは?何故?」
声の主は、答える。
〝貴方が決めた事‥皆んな反対したのに‥貴方は決めた〟
2036年 1月5日 朝
三条聖は、目を覚ました。
ベッドには、隣りに妻 彩夏が寝ている。
〝俺は彩夏と何処で、出逢ったんだ〟
そんな疑問が浮かぶ。
記憶が蘇る。
〝そうだお見合いで結婚したんだ!〟
お見合いの映像が蘇る。
向き合う聖と彩夏の横に仲人が居る。
聖は仲人が誰か思いだせない。
仲人の顔が、浮かぶ。
〝誰だ〟
仲人の記憶が蘇る。
〝叔母さん?確かに叔母さん‥〟
聖はとてつもない頭痛に襲われ、呻き声をあげた。
隣りで寝ていた彩夏が目を覚ます。
彩夏は、「どうしたの?大丈夫?」と聖に肩を掴む。
「また、頭が痛いのね!待って薬持ってくる!」
彩夏は寝室の自分の化粧台の引き出しを開け、聖の〝薬〟を取りだす。
彩夏の手には、妖しく光る〝赤いカプセル〟があった。