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第1話 花粉症のダンジョン保険はレベル5まで3割負担です。

カクヨム先行更新済



 目が痒い。

 頭が重い。

 鼻水が止まらない。

 身体も怠い。


 新種の伝染病かと上司に相談したら、最寄りの耳鼻科を紹介された。


「花粉症ですね。今なら市の補助で鑑定を無料でやっていますから、耐性スキルの有無を検査しましょうか」


 病院の待合室で問診票を書いて提出したら、事務のおねえさんに促されるまま幾つかの書類に署名し、訳の分からない機械の並んだ検査室に案内された。


「えーと、アノーさん。基礎レベルが1、耐性スキルの取得はありませんね」

「はあ」


 検査結果をモニターに表示しながら、年配の医師が幾つかの薬の処方を入力している。


「紹介状を用意しますので、冒険者ギルドで登録してからダンジョンに潜ってください。レベル5まで頑張ってから様子見ましょうか」

「……はあ?」


 あとは担当の人から説明を受けてくださいねと言われ、診察は終了した。

 とりあえず花粉症の症状を軽減してくれる薬は処方してくれるみたいだ。自分と大して年齢差がなさそうな中年の看護師さんが、気の毒そうな表情で小さめの冊子を渡してくれた。


【中高年からはじめるダンジョン探索 攻星労働省監修】


 会社はしばらく休むことになった。

 レベル1と答えたら上司に怒られてしまった。レベル1のまま会社員を続けるのは、昨今では労基が怒鳴り込む口実になるから勘弁してほしいそうだ。

 有休も溜まりすぎていたので、とりあえず一週間ほど申請した。人事の話では、それくらいの期間があればレベル上げには十分すぎるらしい。




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― 新着の感想 ―
[一言] 労基は護らなきゃ… 神「異世界に呼んでも 即死されちゃ大変だから…」 カレー「そこの所は指導してます」 花粉症「現地人なんですが…」
[良い点] 既にダンジョンにもぐって耐性スキルを得て花粉症克服という 話の論点が面白い点 [気になる点] 攻星労働省… ダンジョンに潜っていくことを星を攻めるという意味なら …誤字じゃないな! [一言…
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