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「くっははははは!!!!!馬鹿め!!弾が無いならこっちの物だ!!こいつらふたりをぶげぇ!!」

最後まで言わせず、内藤の顔面を殴りつけた。人質には変わりねえんだ。黙ってて貰おうか。


「そいつを返してくれ、こいつらが動いたら銃床でこいつの頭をかち割る……こんだけされたんだ。正当防衛ですむだろ」

「それは俺がやる。君はまだ若い、君が手を汚す必要は無いよ……俺はこの事件が片付いたら警察に自首する。なぁに、罪状がひとつ増えるだけさ」


男は額から流れる血で汚れた顔を拭うとそう言って笑った。俺はその笑顔に見覚えがあった。


「おっさん……俺の事を覚えてるか?」


焼肉屋で、内藤の息子達から俺達を助けてくれた紳士的なあのおっさんだ。

先程まで生き残ることに必死で気づかなかったが、おっさんの笑った顔があの日の出来事を思い起こさせた。


「覚えてるよ……怖い思いをさせてごめんね。あの女の子にも伝えておいてくれるかい?本当は服を脱がされそうになった時、助けようとしたんだけどね……」


その先を言おうとしておっさんは言い淀んだ。

見ず知らずの俺達を助けてくれた正義感の強いおっさんの事だ、麗奈を裸にして心までも殺そうとする内藤が許せなかったんだよな。

それで、助けようとして、今見たいに奥さんを……。


もう言わなくても分かるよおっさん。大丈夫、もう終わるよ。

終焉の音は着実に近づいてきている。ほら、すぐそこまで。

「少年!!!無事かぁ!!!!!」


倉庫の外から本物のヒーローさながら頼もしい声が聞こえてきた。


勝った……。


「ふっ、あはははは!!俺の勝ちだ内藤!おっさん安心してくれ。罪状は増えねえよ。琥珀さん!!!!生きてるよ!!!」


「もうすぐ入れる!!!数が多くてな!手こずって済まない!」


琥珀さんの声を聞き、テンションの上がり始めた俺は笑いながら内藤の顔面を殴った。続けて殴る。殴る。殴る。歯が転がり落ちた。それでも殴る。


「お前さ、自分は絶対罰されないとか思ってるんだろ?」


「……ぼう。やべでぐれぇ」


「うるせぇよ。質問に答えろ」


「わだじはないどほーふりぐすのじゃちょうだぞ……」


何を言っているか分からないのでもう1発殴りつけた。


「金を使ってさ、女性を食い物にしてさ?理不尽に尊厳を奪って何人もの人生を奪って来たんだろ?それなら自分が奪われる覚悟は出来てるんだよな?」


歯をむき出しに、邪悪な笑みを作り内藤に顔を近づけて言った。


このまま引き渡して終わりじゃ俺の気が晴れねえ、その身に一生忘れないような恐怖を植え付けてやる。


「お前、詰んだぞ。終わりだ、お前に奪われる苦しみを教えてやるよ……とその前に麗奈の胸に触れた手はこっちだよな」


内藤の手をコンクリートの床に押さえ付けた。


「おっさん、それ返してくれ」

「あ、あぁ」


俺の行動に引き気味のおっさんが拳銃を俺に手渡してきた。俺は嬉々として銃口部を持つとそれを振り上げ内藤に告げた。


「お前の手をグチャグチャになるまですり潰す。安いもんだろ?あいつに一生モンのキズをつけてこの程度で済むんだぞ?な?さっきみたいに笑えよ!な!笑えよ!」


俺の作り上げた狂人の雰囲気に飲まれた内藤はもう恐怖に言葉を発する事が出来なくなっている。

それに加え付近にアンモニア臭を漂わせ始めた。年甲斐も無く小便も漏らしたのだ。


そして俺は全力で拳銃を振り下ろした。

骨が砕ける鈍い音がして、見る見るうちに内藤の手が腫れ上がった。


「………………っ!!!」

恐怖に支配されしきった内藤は声にならない悲鳴を上げた。


静かなのはポイント高いぞ。麗奈も声を出さずに耐えてただろ?もっとも?あいつの場合は声が出せないんだけども。


宣言通り骨を粉々にしようともう一度拳銃を振り上げた時だった。

大人の男性が全力を使ってようやくスライドさせていた倉庫の扉が軽々と轟音を立てて開かれた。


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