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ん?唯と美鈴は野郎を消すつもりだから中途半端ではないか……いやいや、駄目だ、とにかく駄目だ。
「でも、ここに麗奈さんが来てなくてよかったね」
涼夏がニコッと笑って言った。
「あー、麗奈なら暴力の化身を従えてすぐ報復に行くだろうな」
こないだ琥珀さんにめちゃくちゃキレてたもんな、あいつ。
琥珀さんも麗奈に危害が加わると判断したらボッコボコにして、引きちぎり、あのクソ野郎をボロ雑巾のようにして笑顔で麗奈と手を合わせているだろう。
相手が俺で良かったな、不幸中の幸いだぞ。
「だぁれぇが、暴力の化身だって??」
俺の後ろで声がした。明確な殺気を感じる。
暴力の化身が後ろに立っている、振り向きたくない……。
「俺思ってることがあるんだけど……琥珀さんて可愛くて良い先輩だよなぁ。男勝りな口調で強いって印象抱いてるやつ多そうだけど、本当は可愛い小物が好きでさ、食べ物も甘い物が好きなんだって、いやー可愛いよなー!」
「う、嬉しくなんてないんだからな……」
ツンデレのようなセリフを聞いてから振り向くと、赤面して熱い顔に手を当てている琥珀さんと、その後ろには麗奈が立っていた。
どうやら殴られずに済んだようだ。
それにしてもチョロい。琥珀さんを鎮めるのなんて赤子の手をひねるよりも簡単だ。
「悠くん。いつか刺されるよ。なんなら私が刺しそう」
「なんでだよ。俺は思ったまま言葉を発してるだけだ」
「お、思ったまま私の事を素敵で良い奥さんになりそうで結婚したい……だと?」
「えっ、私も悠太くんに普段は地味だけど世話焼きで綺麗なお前とならいい家庭を築いていけそうって言われたのだけど」
「私は悠くんに丈夫な子供を産んでくれそうだって言われたもん!」
清々しいまでに嘘つき達に寄る捏造合戦が始まった。
そんな歯の浮くようなセリフ1回も吐いた事ねえよ。
「帰るか。麗奈」
捏造から口喧嘩に発展し始めた奴らを置いて、麗奈と帰ろうと思い立ち上がり、カバンを持つ。
ひとつ気がかりな事がある。
クソ野郎がどこかから見ていたら面倒だけど、嫌われたくはなさそうだから麗奈を目の前にして本性を表すことは無いだろ。
「俺もついてっていいか?」
女子だけの中に取り残されるのは嫌だよな、可哀想だから連れてってやるか。
「いいぞ。行こうぜ」
俺たちが帰ろうが気付かず言い合いをしてる声が教室から聞こえてくる。
『みんなとどんな話をしてたの?お昼も居なかったしヽ(。・ω・。)ノ』
その質問は非常に答えづらい。
海は昼休みの事を気にしているようだ。
余計な事を言わないよう顔を逸らして無関心を装っていて役に立ってくれそうにない。
さて、どう誤魔化したものか。
「立花先生に呼び出しくらってたんだよ。もうすぐ夏休みだろ?夏の補習の話だ」
俺が3ヶ月前の入院で留年寸前なことは、毎日病院で一緒にいた麗奈が1番よく知っている。
現にズル休みと言う形で休んでいた麗奈は、留年確定で来年は俺達と同じ学年になる。
それでも麗奈も補習を受けなくちゃいけないらしいのだが、本人は気にしていない。
『嘘だね( ꒪Д꒪)ノ』
何故バレた。今の嘘は顔にも出さないよう全力でポーカーフェイスを貫いたのに。
「嘘じゃないよ」
『立花先生なら私が悠太を探しに行く時、琥珀を口説いてたよ』
何してんだあの駄目教師。普段やる気無さすぎて授業もマトモにしてねえんだからこういう時くらい役に立てよ。
「呼び出されてたんだ」
『誰にー?まさか告白?やましい事があるから隠したの?(;`O´)o』
時間稼ぎの為に言葉を区切ったのを、良いように解釈してくれた。
「ねえよ。その、あれだ。相手が男だったんだ……勿論断ったぞ」
『嘘だね。それなら君は不機嫌を隠そうともしない筈だよ』
この度やっちゃえゆっさんって天の声が聞こえてきた気がしてやっちゃいました笑笑
その名も!!!春日悠太&秋山麗奈(雨曇公式)
いえーーいい!!!٩(ˊᗜˋ*)و
こちらは悠太くんが運営してるツイッターアカウントで、雨曇の裏事情や、悠太くん麗奈さんの日常呟きアカウントになっております(*´ω`*)
話しかけたら悠太くんか麗奈さんが答えます!
では
@Yuta_KtoReina_A
https://twitter.com/yuta_ktoreina_a?s=21




