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「呼び出しだって悠くん何かしたの?」
「心当たりはねえな。補講の説明とか?」
そうだ、それに違いない。ん?わざわざ昼の時間削らなくても放課後で良くない?
「麗奈に連絡入れとくか」
スマホを取り出してラインの画面を開く。チャットの一覧から麗奈の名前を選択し、チャット画面を表示した。
『昼休みに職員室呼び出されたから、昼飯は一緒に食えねえ』
これでよし。送信っと。
チャットを送り、スマホにロックをかけようと指をロックボタンに伸ばす。
スマホが震え、通知が画面の上に表示された。
丁度スマホ見てたのか、送ってすぐだぞ。
『わかりました(´TωT`)』
なんで悲しそうなんだよ、悪いことしたみたいで心が痛いわ。
『帰りは一緒なんだからそんな悲しそうにするなよ』
送信。既読ついた。
『お姉さんに任せて(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑』
直ぐに返ってきた返信にはそう書いてあった。
なんの事かは分からないけど任せておくとしよう。
スマホを閉じて涼夏に向き直る。
「んで、散々話が脱線したけど千秋と何して遊べばいいと思う?」
「カブトムシ取りに行こうよ!!」
やっぱこいつに聞くだけ無駄だったか……。
――――――――――――
午前中の授業も終わり、昼休みだ。
弁当を食うクラスメイトを尻目に、俺はこれから職員室へと向かわなくてはならない。
昼休みになったらいつもすぐさま教室に来る麗奈も俺がいないと知ってか来ていない。
さっさと用事を終わらせて顔だけでも見に行くか。
「んじゃ、行ってくるわ」
涼夏の席を中心に集まった、美鈴、唯、海、静香に声をかけた。
「付き添いは居るかしら?」
唯が口を開き、言いながら首を傾げた。
「ガキじゃねえんだからいらねえよ。馬鹿にすんな」
初めてのお使いに送り出される子供の気分だ。
鬱陶しいこと男性恐怖症も良くなってきたから問題ないっての。
「ん?春日くんは子供よ」
「子供だね!」
美鈴と涼夏が反論してきた。
どついてもいいか?身長以外は大人だろうが、失礼な奴らめ。俺がガキだったらこの時点で自分勝手に怒り散らしてるところだぞ。
「悠太をあんまり虐めるなよ、可哀想だろ、ちっちゃいんだから泣いちゃうぞ」
うんうん、庇うふりをして攻撃してるよね。
「うぐっ」
笑う海の腹にボディーブローを一撃入れたら、膝から崩れ落ちた。男には容赦しないぞ。
浅井海、耐久性に難あり。
崩れ落ちた海を見て女子4人で笑っている、鬼かこいつら。ていうかせめて静香だけは労わってやれよ。
「昼飯食う時間が無くなるから今度こそ行ってくる」
鬼と、哀れな海を尻目に教室を後にした。
廊下を歩き階段を降りまた廊下を歩いて職員室の前までやってきた。
職員室に入る前にノックをしようとして、あることを思い出した俺は寸前で手を止めた。
そういえば俺を呼び出したのって誰?
呼び出しの放送で名乗ってなかったよな、放送の声も放送委員の物だったからマジで誰かわからない。
こう言うのって普通、職員室の誰々の所まで来なさい。とかって言われるものだよな。
腕を組んで悩む。この間の一件で、良い意味でも悪い意味でも有名になってしまったから目的の人間も分からずには入りたくない……。
まずは立花先生に話して探してもらうか。よし、その手で行こう。
ノックをしようと、手を軽く振り上げる。
今度は後ろから肩を叩かれてノックしようとした手を止めた。気合いを入れたのに肩透かしを食らった気持ちで後ろを振り向く。
「麗奈?」
無表情の同居人がスマホを構えて後ろに立っていた。
『お姉さんが一緒に行ってあげる。約束だから(o´艸`)』
だから俺はお使いの出来ないガキかよ。
この年上のお姉さんぶって俺に接してくるのが、同居人の秋山麗奈。見た目はめちゃくちゃ整っている。




