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九話 ポイ捨て(生物?)

二話目です。


サブタイトルは、なまものと読みます。


せいぶつでは無いです

 霊力の塊である猫神の尻尾を握れる自分。

 言ってて何か首を捻りたくなる。

 目の前に有るのだ。

 触れるのは当たり前と思うのは自分の気のせいだろうか?

 しかし祥子の発言に唯事ではない事を感じた。

 そうして自分が選択した手段はというと……。


「ほいっ」


 パスン。


 化け猫を玄関まで連れて行き外に放り出す。


「ふえ?」


 ガチャン。


 玄関の鍵を閉める音。


「ふう~~」


 あ~~清々した。

 そう思いながら肩の関節を鳴らす。


「……」


 その光景を玄関まで見に行って眺める祥子。

 あんぐりと口を開け唖然としていた。


「……」


 外からの罵声も無いので猫神様も唖然としてるんだろう。

 多分だが。


「何考えてるんですかああああっ!」

「おう!?」


 豹変した祥子の様子に思わずビックリする。

 あれ~~?

 

 ガンガンッ!


「ちょっとおおおおおっ! 何で外に捨てるのよっ!」


 化け猫は正気を取り戻したのか煩い。

 

「そうですよ江戸さんっ! 一応アレでも神なんだから酷いですよっ!」

「いや……祥子さん?」


 祥子の剣幕に戸惑う。


「アレって何なのっ! 一応でも偉い神様よ私はっ!」

「そうですよっ!」


 祥子の発言に調子に乗る化け猫。


「みすぼらしくて貧乏くさいけど神さまんんですよっ! あれでもっ!」

「そうよっ……お?」


 勢いをなくす化け猫の声。

 あれ~~? ディスられてない?

 そんな声が聞こえる気がする。


「ホームレスみたいな神様ですけどっ!」

「……」


 何か外が静かだ。


「野良猫みたいだけど神なんですよっ!?」

「いや……祥子さん? ちょっと……」


 興奮が未だに衰えない祥子に声を落ち着かせる。

 どうどう~~と手で押さえるようにジェスチャーをする。


「何です?」

「化け猫が泣いてます」


 チョイ、チョイと、招き寄せ玄関のドアに耳を近づけさせる。

 耳をすませばシクシクと泣いているのが分かる。 


「みすぼらしくないもん~~」

「「……」」

「貧乏くさくないもん」

「……」

「ホームレスみたいな野良猫でもないもん」


 更に耳を澄ませてみれば聞こえてくる声に自分達二人は沈黙する。

明らかに自分の対応よりも祥子の言葉に心を抉られたかが分かる。

 時々祥子って無自覚に人を傷をつつけるからな~~。

 遠い目をする自分。

 

「どうします薫さん」

「どうしますって……うん?」

「どうしました?」


 自分の言動に眉を顰める祥子。


 カリカリ。

 カリカリ。


 外から玄関を引っかく音がする。

 化け猫の声だ。


「開けてよ~~住まわせてよ~~養ってよ~~」


 そんな声が聞こえる。

 

「さてどうするかな~~」

「そうですね」


 自分の言葉に祥子も溜息を付いた。


「放置しとこう」

「酷くないですか?」

「化け猫だし」

「鬼だ」

「普通だろ?」

「鬼だよ此の人」


 ジト目の祥子に首を捻る自分。

 いや化け猫だし。

 良いと思うけど。

 

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