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八話 尻尾

今日の分です

「たくもう~~」

「すみませんでした」


 祥子に対して土下座をする。

 理由は先程の追いかけっこだ。

 まあ~~本気で怒ってないのは分かる。

 何故か?


 顔に書いて有るからだ。


 其の顔で心配して怒ってくれたからというのは分かる。


 家の中で全力疾走。


 はっきり言って危ないにも程が有る。

 家電製品は元より雑誌や炬燵まで有るのだ当然だ。

 当然全力疾走すれば何かの拍子にぶつかる可能性は有る。

 そうなれば良くて軽傷。

 悪くて骨折。

 だから自分を心配して怒ってくれたんだろう。

 まあ~~本当に悪いのは化け猫なんだが。

 理由は兎も角だが。

 だけど惚れた弱みというべきか自然と土下座していた。

 肝心の諸悪の根源はどうしてるかというと……。


「きゅう~~」


 目を完全に回していた。

 後で外に捨てるか。

 

「会社……時間は大丈夫ですか?」

「お……おう」


 慌てて時計を見る。

 会社に行く時間までまだ余裕は有る。

 一応だが。


「でもウォーキングの時間は無いな」

「まあ~~この時間ですしね」


 自分の発言に溜息を付く祥子。

 とはいえ余った時間をどうするかだ。

 

「仕方ない着替えてから時間が来るまで暇つぶしでもするか」

「そうですね」


 自分の言葉に溜息を付く祥子。


「化け猫は外に捨てるか」

「……江戸さん猫神様に酷いですね僕には優しいのに」


 自分の発言に引いたような呆れたような言葉をかける祥子。

 というか物凄く顔を引きつらせてる。


「いや? 自称猫神だぞ此れ」

「いや神をぞんざいに扱うのは薫さんだけです」

「神以前に唯の化け猫だろう?」

「触らぬ神に祟りなしという言葉を知ってますか?」


 顔が引きつり続ける祥子。

 何でそんな顔をする?

 意味が分からない。


「知ってるぞ、でも此れは化け猫だし猫の一種だ」

「薫さんっ!?」


 信じられない物を見た。

 そんな顔で自分を見る祥子。


「どうした?」

「化け猫ってだけでも普通は人は恐れ畏怖を抱くものですよ!?」


 マジかよ此の人。

 等と呆れた顔で見られてるんだけど……。


「何で?」

「祟りが怖くないのですかっ!?」


 自分の態度に絶叫する祥子。

 大げさだな~~。


「祟り? 何て非科学的な~~」

「本気で言ってます!?」

「本気も本気だけど?」


 そう言って無造作に尻尾を掴む。


「みぎゃっ!?」

「ひっ!?」


 何故か猫神と同時に悲鳴を上げる祥子。

 何故かその顔は青ざめてる。

 まるでその行為は恐れ多いと言わんばかりだ。

 何でだろう?

 祟り?

 科学万能の時代に大げさな……。


「離して~~痛いよ~~」

「断る」


 シクシクと泣く化け猫の訴えをバッサリ切り捨てる。


「……」


 益々顔を青ざめる祥子。


「——……何で此の人間は私の尻尾が触れるの!?」

「目の前に有るだろうが?」


 今気が付いたと言わんばかりに絶叫する化け猫。


「普通は霊力の塊だから見えないんだよ!?」

「そうですよっ!?」

「はっ?」


 化け猫の言葉に頷く祥子。

 その二人の剣幕に首を捻る。

 

「信じられないっ! 普通は見えないし火傷するのよ」

「何言ってるんだ此奴」


 化け猫の不可解な発言に眉を顰める自分。


「あ・あのっ! 江戸さんっ!?」

「どうした?」

「猫神様の尻尾っ!」

「此れか?」


 思わず握ってる物を見せるその途端青ざめる祥子。

 というか何時の間にか薫ではなく江戸になってる。

 そこまで慌ててるってことか?


「それっ!? 何で平気で触れるのですかっ!?」

「え?」

「僕でさえ格の高い獣神様の尻尾は見えないんですけど」

「マジッ?」

「マジッですしかも触れる何て普通はあり得ないんですけどっ!?」


 真剣な様子に思わず息を呑む。

 でも最初から普通に見えてたんだけどな~~。(汗)


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