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六話 ある朝

書いててモチベーションが上がらないので投稿します。

 穏やかな眠りに身を任せている時の事だ。


 ピピッ!

 ピピッ1


 煩いな~~。

 もぞもぞと、布団から抜け出す。

 寒い。

 もうすぐで春とはいえまだまだ寒い季節。

 騒音の音源である携帯に手を伸ばす。

 うん。

 これだ。

 アラームを止める。


『——昨日九時未明、坂田敦美さん九十四歳が車に跳ねられ——……死亡しました』

  


 うん?

 テレビを付けっぱなしにしてたかな?

 思考がハッキリしない。


「ふああ~~」


 そう思いながら欠伸をする。


 携帯のアラームで朝五時に目を覚ました自分は顔を擦る。

 寝間着を脱ぎジャージに着替えて布団を畳む。

 何時もの様に冷蔵庫に向かい昨日買っておいたゼリー状の栄養食品を取り出す。

 それを飲み干しながら新聞を取りに玄関に歩く。


『——未だに犯人は逃走中の——』


 おおっとテレビを消さないと……。

 居間の方に方向転換する。


 ———筈だった……。


「あっ……薫さんお早うございます」


 そのタイミングでバッタリ祥子に会う。

 

 

「あ~~そうだった祥子と暮らし始めたんだっけ……」


 正確に言えば一昨日からだ。

 長い間の習慣で一人癖が出たみたいだ。

 苦笑いをしながら祥子の方を見る。


「「あ……」」


 祥子の寝ぐせが酷かった。

 そういえば此奴昔から寝ぐせが酷かったけ~~。


「すみません今から顔を洗ってきます」

「おう……朝食でも作っとく」


 パタパタと小走りで洗面所に直行する祥子。


「ポリポリ……あっ! 今から朝食を作りますから座ってて良いですよ」

「いいのか?」

「はい」


 居間にあるテーブルでテレビを見ていた猫耳の少女が此方に気が付く。

 御菓子代わりにキャットフードを喰うのは止めて欲しい。

 間違って自分達が食ったらどうする。


『——なお犯人は今も逃走中で——……』


 カチンッ。

  

 テレビを消す猫耳の少女。

 

 居間の方からパタパタと小走りで近づいてくる。

 御言葉に甘えるか。


「あ~~悪いな」

「いえいえ良いですよ新聞でも見ていて下さい」


 そう言って彼女は読みかけてた新聞を渡してくれる。

 あっ……既に取ってきてたのね。


 冷蔵庫から作り置きした味噌汁を取り出す。

 具は豆腐と玉葱だ。

 其れを三人分器に盛り電子レンジで温める。

 小皿を三人分取り出し冷蔵庫に有った沢庵を乗せるとテーブルに置く。

 温めた味噌汁を持ってくる。

 茶碗を三つ用意して御飯を二つキャットフードを一つ盛り付ける。


「お早うございます」

「さっき言った」

「そうですね」


 クスクスと笑いながら食事をする。


「薫さんの家の味噌汁は麦味噌何ですね」

「ああ~~母親が好きでね。それで何時の間にか麦味噌しか駄目になったんだ」

「前は違いませんでした?」

「前は御隣から自家製味噌の御裾分けを貰ってたからだよ」


 祥子の疑問に答える。


「私は麦味噌の味噌汁が好きね」

「御前もか?」

「この癖のない柔らかな味は猫まんまに最適なの」


 ザバンと味噌汁を茶碗のキャットフードにかける。


「おいおい……まあ~~確かに猫まんまは自分も好きだけどな」


 その光景に苦笑いを浮かべる。


「あ~~薫さんもですか」

「祥子もか? でも前はそんな風に食べてなかったじゃないか」

「あ~~薫さんに下品な食べ方だと思われたくなかったから」


 恥じらいながら箸を口に含む祥子。


「馬鹿だな~~そんなわけ有るか」

「そうですか?」

「そうよね」


 などと楽しく食べていた。

 そして完食。


「「「御馳走様でした」」」

「御茶要る?」

「おう祥子は?」

「え……あ……うん?」


 祥子の言葉に戸惑う。


 戸惑う祥子を見て何か違和感を感じる。

 うん?

 何でだ?


「御茶どうぞ」


 考え込んでると視界に猫神が映る。

 あっ……。


 うん?

 まて。

 まてまて。

 何時から此の化け猫が居る。

 確か家に招いた記憶が無いんだが……。


 ああ~~そうか。


「それはそうと何時化け猫を家政婦として雇ったんだ?」

「え?」


 うん?

 何か祥子の反応がおかしいな?


「家政婦としてって……猫が料理出来るの?」

「出来ますよ~~得意ですから」


 そこへ現れる化け猫。

 三人分の御茶をだす。

 御茶請けに手作りのクッキーを出す。


「出来るみたいだな」

「出来るのか~~私は苦手なんですけど~~女なのに」


 落ち込む祥子が可愛い。


「大丈夫だ自分も出来ない」

「それはシャレになってないですよ」

「ま……まあ~~そこは追々な」


 冷汗を流す自分と祥子。

 ヤバイ。

 家事の問題を忘れてた。

 以前同棲してた時に別れた原因の一つが家事だという事を忘れていた。

 二人共カレーしか出来ない。

 味噌汁は辛うじて食えるレベルだし。


「そう考えると先程の味噌汁は化け猫が作ったのか?」

「は~~い」

「おおう」

「猫にすら劣る私達って……」

「言うな。みじめになる」


 美味かった。

 久しぶりに手作りの本当の美味さを堪能した。

 但しそれが化け猫の作ったものだと思うと明後日の方を見たくなる。


「まあ~~誰しも苦手な事は有る」

「……そうですね」


 哀愁漂う自分と祥子。

 カレーはね二人共自信が有るんだよ。

 カレーだけはね。

 あれは大概下手な奴でも美味く出来る。


「そういえば化け猫の家政婦としての賃金はどうなってる?」

「……え? 薫さんが雇ったんではないんですか?」

「うん?」

「はい?」


 祥子の反応に首を捻る自分。

 あれ~~?



「「……何時入り込んだ化け猫っ!」」

「ちいいいいっ! 気が付いたかっ!」


 ダッシュで逃げやがった。


途中で間が空くかもしれませんが何とか完結させて見せます。

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