二十二話 ふろふき大根
まだ少し続きます
米の研ぎ汁で柔らかく茹でられた大根に箸をつける。
面取りした大根は大した力を籠めなくてもスウ~~と簡単に切れた。
一口大に切った其れを大根の上に乗せられた、ゆず味噌と共に口に入れる。
途端に口一杯に広がる大根の風味と柚子の香り。
何度か咀嚼して嚥下する。
あ~~美味い。
程好い出汁加減と味噌がいい塩梅だ。
「美味いね」
「そうですね」
そしてそのまブロッコリーを茹でた物にオーロラソースを付けて食べる。
醤油の塩気とマヨネーズの酸味が丁度良い感じだ。
「普通だね」
「普通ですね」
「何だとおおおっ!」
ブロッコリーの感想にガーンと、衝撃を受ける化け猫。
いや。
茹でてオーロラソースで食べるだけで工夫のし甲斐が無いだろうに。
何で絶望に打ちのめされてる?
「最後は味噌汁か」
「味噌汁ですね」
最後に残ったオカズに目を向ける。
他にも漬物は有るが此れは気にしないでおく。
元々此処に合った物だからだ。
「そんじゃまあ~~自分から」
「はい」
具は玉葱と椎茸に豆腐。
彩として小口切にした小葱を冷凍した物。
匂いを嗅ぐ。
香りは昆布と鰹に椎茸。
具を箸で挟み口に入れる。
口の中に広がる椎茸と昆布に鰹それに……此れは煮干し?
「苦みが無い?」
「ふっ……」
化け猫のニヤリと笑う顔がムカつく。
どうやって出汁をとったか当てて見ろ。
そう語りかけているみたいだ。
「私も……」
祥子も味噌汁の口に含む。
目を見開く祥子。
美味かったらしい。
そしてガツガツと食い始める。
「ふふ~~ん」
「得意げな化け猫が腹立つ」
「理不尽な事を言われてるんですけどっ!」
ドヤ顔の化け猫に文句を付けてみた。
それはそうと何でだ?
鰹節と椎茸は兎も角。
昆布と煮干しは火を入れないと出汁は採れない筈。
しかしそうすると僅かな苦みが出るはずなんだが……全然感じない。
美味しい。
「ふふ~~ん♪」
「「降参です」」
「よろしい~~なら居候させてもらって良いね」
「まあいいだろう」
「そうですね」
なお何をやってたかというと簡単な話しだ。
炊事洗濯家事全般を化け猫が担当する代わりに居候させる。
そう取引をしたのだ。
とはいえ洗濯や掃除は兎も角。
料理が下手では話にならない。
それで試しに作ってもらったのだ。
まあ~~出来るまでの間に起きてきた祥子に見つかり拷問を受ける羽目に成ったのはご愛敬だ。
泣きたいが。
「化け猫の癖に料理が美味いとはムカつく」
「そうですね」
「酷いんですけど二人共っ!?」
理不尽な言葉に絶叫する化け猫。
いや御前の図々しい最初の態度を見れば当然だと思う。
とはいえ少ない食材で作ったにして良い出来だと思う。
寧ろ此奴の腕は確かだ。
褒めたら調子に乗るので言わないけど。
すみません




