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十七話 悪寒

今日はこれまで。

 

 ゾワリ。

  


 不意に違和感を感じ辺りを見回す。

 否。

 違和感ではない。

 悪寒?

 勘とも呼ぶべきもの。

 虫の知らせ第六感ともいう。

 大概こんな時はやたら悪い事が起きる。


 自分は霊能者でも異能者でもない。

 ましてや超能力者でもない。


 但し何故か自身や親しい人に危険が及んだ時何故か酷く勘が働く。

 

 両親が死んだときもそうだった。

 あの時もこんな悪寒がした。

 自分に災厄が起こると思ったら両親だとはね……。

 笑えない冗談だ。


 辺りを見回す。


 注意深く。


 注意深く。


 更に……。


 ……何もない?

 

「気のせいか?」



 そう思いながら足元に視線を移す。

 おかしい……。

 この感じは自分に災厄が起こると思ったんだが……。


 そうしたら視界に花束が映った。

 それだけではなく御菓子やペットボトルの御茶も。

 

「そういえばここら辺であの御婆さんの事故があったんだっけ……」


 先程の新聞を思い出した。

 身近なところで人が死んだ。

 赤の他人とはいえ正直良い気がしない。

 しかも事故に遭った本人。

 幽霊になった御婆さんに会う羽目に成るなんて……。


 人生何が有るか分からないな~~。


 ミーミー。

 ニャアア~~。

 ニャアア~~。


 そう考えにふけていたら猫が走って行く。

 沢山。


 うん?


 猫が走って行く方に目をやると其処には二人の人物が居た。

 一人は十代後半の少女。


 もう一人は昨日出会った幽霊の老女だった。


「はいはい餌はまだあるからね~~慌てないの」


 そう言いながら少女はキャットフードの入った袋から中身を地面に置く。

 其処へ群がる猫達。

 

『あらあら~~沙羅ちゃんもう少し御飯を上げて頂戴』

「これぐらいかな~~」


 チラリと少女に頼む御婆さん。


『やはり聞こえてないのね』

 

 寂しそうな口調で話す御婆さん。

 まあ~~幽霊の言葉を普通の人は聞き取れないだろう。


「御祖母ちゃんも毎日こんなことして良く疲れなかったな~~」

『別に』

「御祖母ちゃん……」


 やはり聞こえないみたいだな。

 恐らく祖母と孫かな?

 だれが餌を上げたのか気になっていたけれどあの子がしていたのか……。

 

「猫ちゃん~~美味しいでしゅか~~」


 フウウウウッ!

 ヴウウウウウッ!


 御婆さんが撫でている猫を孫らしき少女が触ろうとする。

 


 ヴウウッ!


 御婆さんと孫の手が重なろう(・・・・)とした瞬間に猫に爪で引っかかれる。


「あっ」


 手を引っかかれる孫。

 涙目かもしれないな……。

 

「あ~~」


 孫の方が撫でようとして猫に威嚇されてるよ。

 あ~~野良は警戒心が強いからな~~。

 威嚇されてるよ。



『あらあら~~』


 それに比べて御婆さんの方は威嚇されておらず撫でられるままだ。

 よっぽど懐かれてたんだろう。

猫は大人しくしていた。

 まあ……幽霊だから触られてるか分からないのかも……。

 それに満腹になった猫の数匹は御婆さんをジッと見つめている。


 うん?


 何だろう?


 何かおかしい。



 何だろう。



 ミー。

 ミーミー。

 ニャアア~~ニャアア~~。

 ミィヤア~~。

 ニャアア~~。



 何だ?

 何だ。


 猫達が何かを威嚇している。


 御婆さんを。


 御婆さん自身を。



 御婆さんから何かが這いより溢れ始める。



 黒い。


 黒い何か。


 

 怖気(・・)を感じさせる何か?

 アレ(・・)は何だ?







 

 

 

 その時だった。

 

「御飯だあああああああああっ!」


 聞きなれた声が辺りに響き猫を押しのけ走り寄る人影。 

 そいつはキャットフードの山に全速力で突っ込んできた。



「はい?」


 あれ?


 さっきの異様な雰囲気は何だったんだろう?

 いつの間にか先程の異常な雰囲気が霧散化している。


 その代わりに何か見慣れたものが居た。

 あ~~。

 


「いやあああっ! 此の黒猫また(・・)ほかの子の餌を強奪してるっ!」

「化け猫~~常習犯かよ」


 見慣れた姿にゲンナリする自分だった。


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