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十六話 倦怠期?

三話目です

 その日は日曜日だった。

 なので起きたのは朝八時過ぎ。

 目覚ましを掛けてないので自然に起きるのに任せていたら此の時間になった。

 布団に潜っていて最初に嗅いだのは出汁の効いた味噌汁の香りだった。

 優しく香り鼻孔を擽る。

 出来立ての匂いだ。

 それと共に漂ってくる焼き魚の香りがする。

 香ばしい香りは焼き立てだからだろう。

 


 ザクザク。


 何かをリズミカルに切る音が聞こえる。


「う~~ん」


 大きく伸びをして目覚めた自分は着替えて布団を畳む。

 ジャージの裾を直しながら顔を洗い台所に直行する。


『——未だひき逃げした犯人は依然として捕まらず——』


 テレビを見ながら朝食を作ってるんだろう。

 テレビの音がよく聞こえる。


「おはよう」

「おはようもうすぐ出来るから待ってて」

「おう」


 祥子が葱を切っているのを尻目に机に座る。

 

「まだひき逃げ犯は捕まってないみたい」

「ふ~~ん」


 まあどうでも良いけど。

 うん?


「どうしたんですか? 薫さん?」

「いや此の現場昨日立ち寄った公園前だったんだよ」


 ニュースで映ってる現場の光景に眉を顰める。


「へ~~」

「家までの近道でさあそこは良く通るんだ」

「じゃあ~~車に気を付けてくださいね」

「そうだな」


 机に置いてあった新聞を読む。

 ザっと眼を通す。


「うん?」

「どうしたんですか?」

「いや……何でもない」


 新聞の片隅に有った写真を見る。

 被害にあったのは女性か……。

 しかも相当なご年配。

 うん?

 あの御婆さんじゃないか。

 あ~~気の毒に。


「出来ましたよ薫さん」

「おう」


 並べられた料理を前に二人で手を合わせる。

 献立はアジの開きに味噌汁と漬物だ。

 ぶっちゃけ無難な献立だ。


「「いただきます」」


 味の方はというと正直微妙だった。

 長い間、自炊生活をしてるという割にだが……。

 

「……味噌が多い……」

「塩辛いな……」

「うん」

「味見は?」

「したけどこうなった」

「自分も味音痴だけど祥子もだな~~」

「言わないで……」

「でも……」

「何? 薫さん」

「独りで食べるより美味しい」

「そうだな」

「うん」


 でも親しい人と食べる御飯というのは旨いものだ。

 たとえ塩味が効きすぎても……。 


 正直言えば化け猫が作った御飯が美味かったが言わないのが花だろう。

 本当に。


 時々で良いから化け猫を家に上げても良いかな。

 御飯を作らせるのと引き換えに。


 ◇



 朝食後。


 良い雰囲気になりそうな恋愛映画を録画したので一緒に見るか。

 問題はどう誘うかだな~~。

 そんでもって良い雰囲気に成ったら……ふう~~無理矢理は駄目だ。

 少し落ち着こうか。


「夜勤が有るので寝ますね薫さん」

「あれ? うん?」

「どうしました?」

「あ~~いや」

 

 あれ?

 あれれ?


「なあ~~一緒にテレビでも見ないか?」

「寝かせてください」

「面白い映画を録画したんだ」

「今夜は寝かさないと?」

「今は朝なんだが……」

「そうですね~~寝ます。良いですね」

「はい」


 あれ?

 祥子自分の事好きだよね?

 何で倦怠期に入った夫婦みたいな雰囲気なの?

 おかしいな~~。

 嫌な汗が出る。


 という祥子は再び寝直すことに成ったので再び寝室に行く事になった。

 何か前もそうだけど同棲した気がしない。

 此れは唯単に二人で一人暮らしをしてるだけだ。


 言わないけど……。

 

 ま……まあ~~時間帯が合わないから仕方ない。

 今度何処かに誘ってデートしよう。


 

 自分はというとジャージで朝のウォーキングに出かけていた。

 軽く汗を搔く位……。

 三十分を目安にして良いか。

 

 そうしたら昨日の公園前まで来ていた。

 公園に面した道路の歩道を歩いてだ。

 気が付けば猫がウロウロしている。

 ここら辺は昔から猫が多くいるからな~~。

 天気は曇り。

 今にも雨が降りそうだった。



 


 不意に足を止める。

 何か妙な感覚に襲われたからだ。

 首の後ろがゾクゾクする。

 何でだ?




 


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