表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

何か幻覚が見えます

取り敢えず五話を目途にしてます。


人気が有れば連載にします

 それは有る日の事だった。

 

「さむっ……」


 体を震わせながら空を見上げる。

 空からは粉雪がフワフワと舞い降りていた。

 雪は自分の前を走る自動車のヘッドライトを光を浴びダンスを踊ってるように見える。

 季節は冬。

 まだまだ寒い季節だ。

 吐く息が白い。

 その日も何時もの様に仕事を終え自分の家に帰ろうと歩きはじめる。

 懐から煙草とライターを取り出し火をつける


 フウ——……。


 白煙を吐き煙草を堪能する。

 咥えた煙草は褒められた行為ではないが止められない。

 

 

 ミーミー。

 ミーミー。


 寒さに震えて鳴く声が聞こえた。

 誰かが餌を与えたんだろうガツガツと何かを食べる音がする。

 

 捨て猫だろうな。


 餌を食べる時に何か紙の様なものを引っかく音がする。

 段ボールかな?

 捨て猫の定番だ。

 段ボールに入れられて棄てられたんだろう。

 恐らく生後間もないのだろう鳴き声から幼さを感じる。




 生憎自分の家は実家暮しとは言え新築して三年。

 実家では猫を飼えない。

 猫は家を傷めるからだ。

 一度飼っていた時期が有るが柱や畳がボロボロにされたのは良い思い出だ。

 此れが新築する前だったから良かった。

 そうでなければ家を建てた両親が怒り狂ってただろう。

 但し今も生きてればと続くが。

 

 二年前の冬。

 

 父親が心不全で死んだ。

 突然だった。

 そして母も後を追うように死んだ。

 そして広い家で自分は一人暮らしをする羽目に成った。

 妻は居ない。

 縁が無く自分の所に嫁いでくれる人は居ない。

 いや居たか。

 嫁いでくれそうな奴。

 まあ両親が無くなり荒れてて結局別れたっけ……。

 今思えば申し訳ない事をした。

 あいつは人懐っこい笑みを浮かべ笑って許してくれたから良いけど。


 寂しい。 

 そんな感情は有る。


 しかし四十代もなって最早自分には縁が無いと諦めてる。

 あいつが最後の縁だったんだろう。


 ミーミー。


 弱々しい声が聞こえる。

 食べる音がしないという事は餌が足りなかったんだろうか?

 あ~~。

 ガシガシと頭をかきむしる。


「餌だけでも良いか」


 家では飼えないがせめて餌だけでもやるか。

 そう思いながら捨て猫の方を見てみた。

 

『棄て神です拾ってください』


 そう書かれた段ボールの中に少女が居た。

 新聞で出来た服を着た少女が。

 しかも猫耳。

 ピクンッと動くところを見ると付け耳ではないみたいだ。

 彼女はキャットフードの残りをカリカリと齧ってる


「……」


 思わず沈黙した。

 目を逸らし再び煙草を吸う。


「ゲフッ!」


 無意識にフィルターまで吸い込んだらしい。

 火のついた煙草を棄て足で消す。

 再び段ボールを見る。

 其処にはやはり少女がいた。

しかも猫耳。

 ……。


 疲れてるのかな~~幻覚が見えるんだけど……。

 嫌な汗が流れてるのを感じた。

 

 

 


お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ