超短編小説「毛糸川」No53
水色と白色の毛糸玉を買ってきた。
漠然となにか作りたくなったのだ。
でも買ったきりなかなかやる気が出なくて、机の上に転がしていたら、ポンポンと床に落としてしまった。
急いで拾おうとしたけど、毛糸玉はどんどん遠くに行ってしまう。
私が椅子の上でそれを見ていると不思議なことに、床中に毛糸が溢れて、いつの間にか私の部屋は青と白の毛糸の川が出来ていた。
部屋の壁はとっくに流されて、私は椅子に座ったまま川下に流されていく。
椅子の船は浮き沈みがあり、ゆらゆらとしてまるで観覧車のようだった。
足に触る毛糸の水は初冬だというのにちょろちょろと涼しくて、気持ちがいい。
そのうち私はだんだんと眠くなってきた。
私が目を覚ますと、目の前に毛糸の川が出来ていた。私はそのマフラーを首に巻いて、寒空の町に出ていって歩き始めた。
お恥ずかしながら、物語を作る仕事を目指しています。先はまだまだまだ遠いですが、少しずつ進んでいきたいとと思います。
アドバイス、お気軽なコメント待ってます。
毎日1話以上の投稿を目指していて、今日で34日目の投稿です。