私
貴方に貴方に貴方に祝福を。
空には何も見えない。色を変える。
ただの一時も此処にはない。
あらゆるものがそう。
いつのまにかすり抜けて、どこかへ行ってしまう。
私達は空を見ているのだろうか。
空の向こうには宇宙があるのではなかったか。
だから私達の目に映る「それ」が何かと聞かれたら、少なくとも私には答えられない。
空なのか。それとも宇宙か。
それとも空でも宇宙でもない何かなのか。
色を変える。空。
空の色は回転ゴマのように鮮やかで、そしてそれはいつの間にか降りてくる。
空が私の意識をすり抜けて変わっているのか。
だとしたら宇宙の色は?
黒。
宇宙。
しかし透明?
最果てに何を見るのか。そこに光はないのか。
思いを馳せる。
でも私には何も分からない。きっと届かない。
私の見えないところで世界は回っているのか。
私が宇宙を見るように、でも宇宙は私を見てはいないのだろう。
世界は世界を中心に回る。
回転ゴマなのだ。
繊細な構造に跡付けられた美だ。それは美しさ。
この世界には幸せが満ち満ちている。少なくとも私の周りには。
だとしても地球の中心は相変わらず地球で、だーれも私のコトなんか知っちゃ居ない。
それが素晴らしい。
だから私は貴方に祝福を。他でもない貴方に祝福を。
誰もが繋がらないこの球体の上で、たった一つ私が見つけた君に。
余る事のないこの思いを貴方に。
貴方に貴方に貴方に祝福を。