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幕間 イ家集

Side キャロル


 今日はデュクセンにいるパパの家族がルーンランドに来る日。

だから下宿屋イ・コージは賑かになっていた。

でも…普通は逆だと思うんだよね。


パパとケメンさんは緊張してガチガチになっている。

「ケメンにもやっと相手が見つかりました。だから2人を祝福してあげて下さい」


「俺は本気でアリスを愛している!!親父やお袋が何を言っても気持ちは変えないからな」

シャンテおばさんにケメンさんとアリスの事を説明する必要があるんだって。


リアさんは

「フッフッ!!お義母さんにー努力の成果をみせますよー。出来る可愛がられるお嫁さんになるんですー」

気合いを入れまくって料理を準備しています。


そしてアリスは

「絶対に…ケメンとの事を認めてもらう」

コンサートの時以上に気合いが入ってます。

アリスは私やチェルシーを相手に挨拶の練習を何度繰り返しました。

笑顔なのは久し振りに家族に会えるライラちゃんぐらい。


「さてケメン、そろそろ迎えに行きますか」

ライラちゃんやアリスが迎えに行くとパニックになるから、パパとケメンさんが迎えに行くんだって。


「兄さんちょっと待って!!まだ気持ちの準備が」


「もう時間です。行きますよ」


「コージ!!頑張ってーお義父さんとお義母さんを迎えに行って下さいねー!!お料理もお掃除もばっちり気合い全開でわ・た・しがやったんですからー」

リアさんの背中からは炎の様なオーラが立ち上っている。


「ケメン、大丈夫…気持ちは伝わる」

アリスはケメンさんを励ましている。

うん、やっぱり逆だと思う。

そして10分してパパとケメンさんが戻って来た。

ちなみにケメンさんの顔は緊張からか顔が真っ青になっている。


「ライラ、ライラー!!元気だったか?寂しくなかったか?パパは凄く寂しかったぞ」

一番最初に勢いよく入って来たのはパパのお兄さんでライラちゃんの父親イ・キトウセンさん、ロマンスグレーの髪を振り乱しながらライラちゃんを抱き締めている。


「お、親父恥ずかしいって」

ライラちゃんは照れながらもどこか嬉しそうだ。


「ライラちゃん~元気だった~?」

ゆっくり話ながらライラちゃんの母親イ・ヤシさんがそれに加わる。


「父さん、母さんここが今住んでる家です…下宿屋も兼ねてるから若い娘さんも住んでますから」


「コージ、余所様(よそさま)の娘さんを預かる意味が分かっているのか?」

パパに厳しい目を向けたのは、パパのお父さんイ・ダシッペさん。


「お父さん、リアちゃんもキャロルちゃんも一緒に住んでるですから大丈夫ですよ」

パパの母親イ・シャンテさんが微妙なフォローをいれる。


「お父様ー、お母様ー遠いー所をお疲れ様でしたー。お荷物はー私が預かりますねー」

リアさんはやっ!!


「リアちゃんありがとう。うちのバカ息子達は迷惑を掛けてないかい?キャロル、お土産だよ。あんたはうちの家族なんだから遠慮しなくていいからね」

シャンテさんは私に大きな紙袋をくれた。

私は暖かくなったけどアリスはガチガチ。


「親父、お袋!!紹介したい人がいるんだ!!アリス・ウォーテリアだ」


「…アリス…です…」

その瞬間、下宿屋イ・コージの空気が固まった…

アリスは14才だけど背が小さいから12、3歳にしか見えないんだよね。


Side イ・コージ


 ケメン空気を読みなさい!!

暖かいほのぼのとした一気に空気が胃が痛くなる重苦しい空気になったじゃないですか!!

アリスさんは涙目になってますし。

あの堅物職人の父さんに名実ともにロリなアリスさんを嫁と認めさせるのは至難の技。

そして開かれましたイ家の家族会議が。


「俺は自分の稼ぎで暮らしてんだ!!親父達に文句は言わせないからな」


「黙れっ!!若い娘にのぼせあがりやがって!!てめえの面を鏡で見てみろ、将来捨てられるのが関の山だぞっ」

なんでしょう、私の耳まで痛いです。


「ケメン!!アリスさんはライラと年が変わらないんだぞ。相手の親御さんの気持ちを考えろ。俺なら殺すぞ」

キトウセン兄さんじゃありませんが、キャロルがおじさんを連れて来たらイ・コージ本気のマジックショーが始まると思います。

ちなみに女性陣は女性陣で会議をしています…リア頼みますよ。

次の瞬間、ドアが勢いよく開けられました。


「お父さん、リアとアリスはイ家の嫁と決めました。文句はありませんね」


「シャンテ、何を言ってるんだ!!」


「文句はありませんね…私が人柄をみて決めたんですから」


「おおぉ…分かった」

パートナーの尻に敷かれるのは父さんが始まりのようです。

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