対策は万全に
シャルロッテの名字をロックオーガからストロベリーに戻しました
side イ・コージ
私が今直面している問題を解決する為にリアとキャロルに集まってもらいました。
「パパ、私達の先生になるのに何か問題があるの?」
可愛らしく頬を膨らませるキャロル。
「コージ、違う問題を起こしたらー分かりますーよねー?」
空恐ろしい笑顔を浮かべるリア。
私に新たな問題が発生した気がします。
「まずはマジックガールズ4期生の皆さんに拒否される可能性がある事てすね。厳しく教えるにしても優しく教えるにしても話を聞いてもらえなきゃ意味がありませんから」
彼女達に"あのオジサン、キモいから無理なんですけどー"とか言われたら私の鉄のハートでもヒビが入りますし。
「パパ、考え過ぎだよ。何かあったら、私が4期生の娘達に言ってあげるし」
「それにー4期生にはライラちゃんもいるんですよー」
先生をするのに義娘と姪っ子頼りですか、流石は私です。
「次にレベルの違う娘達の扱いをどうするか?例えば3期生の中ではキャロルの実力が群を抜いていますし」
これはパパの欲目なんかじゃなく、私の弟子になって色々な経験をした事が大きいでしょう。
「確かにキャロルの魔術関係の伸びは凄いんですよねー」
「3期生はみんな基礎は出来てるから、問題は実力が未知数の4期生だよね」
マジックガールズに受かって得意属性も分かってるなら最低限の魔術は使えると思います。
「ライラには一通りの基礎は仕込んでるんですよ。ライラもマジックガールズに憧れていたから必死に勉強してましたし」
「パパの一通りって、どれ位なの?」
「ライラは全属性の初級魔術と得意魔術の中級魔術を使えますよ」
「パパ、本当に一通り教えちゃったんだね…」
「そして一番の問題はシャルロッテ・ストロベリーさん、彼女をどう扱うでかす」
似合いませんがストロベリーはエリーゼ先輩の旧姓です。
「もしかしなくてもー、エリーゼ主任の身内ですよねー」
ドワーフとエルフのハーフでストロベリーと言ったらほぼ間違いありません。
「シャルロッテさんのキャッチコピーはパワー&ビュティー略してPBでしすね。エリーゼ先輩ならパワー&バイオレンスのPVなんでしょうけど」
口より先に手が出るなんて言葉がありますけど、先輩の場合は手と足と投げの後に口が出ます。
「パパ…後ろ見た方がいいかもー」
キャロルの言葉に従って後ろを見ると、そこには
「コージ、誰がパワー&バイオレンスだっ!?じっくりと話し合いをしようか?」
先輩の話し合い=肉体的コミュニケーション=拳と蹴りの嵐が過ぎ去ると、私はボロボロになっていました。
「そ…それでシャルロッテさんは先輩の御家族なんですか?」
私はポーションをがぶ飲みでようやく回復。
「シャルロッテは俺の妹だ。前にルーンランドに遊びに来た時にマジックガールズを見て憧れたらしいんだよ」
エルフもドワーフも長命種ですから先輩に年が離れた妹がいてもおかしくはありません。
ただ願わくば先輩に似ていない事を祈るだけです…主に性格が。
「それでロックオーガ伯爵が審査員にいたんですか?」
「身内びいきと思われても仕方ないが流石にな…旦那に頼んで落としてもらえる様にしたんだが無理だった」
先輩もマジックガールズ4期生募集のカラクリに気がついたんでしょう。
「へっ?受かる為じゃなく落とす為に協力って。パパ、なんで?」
キャロルに4期生募集のカラクリを説明するのは不味いです。
「簡単だ。騎士団の連中は傭兵隊に手柄を取られたくねえんだよ。マジックガールズは国に属するからな、ガドインの敬遠に使うつもりなんだろ?」
レクレールとの戦いで手柄をあげたいけど、実力が数段違う傭兵の存在が邪魔。
自分達の手柄を横取りしたら奥さんの姪っ子を厳しい戦場に慰問に行かせるぞってところですか。
「キャロル、4期生の人達はリアの事を知ってますか?」
「パパ、当たり前だよ。リアさんに憧れてマジックガールズに入ったって娘は少なくないんだよ」
キャロルの言葉にリアは"どんなもんですかー"と私を見つめてきます。
「リアにお願いがあります。私が講師をする時、初代マジックガールズのリアとして着いて来てもらえますか?」
「コージ、何を改めて頼んでるてすかー?私はコージの恋人で助手です、何よりマジックガールズの先輩なんですよー」
そんな事を言ったら怒りますよとばかりにリアは私の頭コツンと叩きました。
「リアありがとうございます。そして先輩はマジックガールズの人達に護身術を教えてもらえますか?」
ガドイン・ロックオーガ伯爵の奥様、エリーゼ・ロックオーガは有名な女傑ですから護身術を教えるのは不思議じゃありません。
「その手があったか…獅子身中の虫なって守るか。おもしれえ、のった!!」
さて、私が培った力を守る為に使いますか。
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