チャーム対策は苦策
久しぶりの更新です
side イ・コージ
手詰まりです、スランプです、何も思いつきません。
「コージ、ウンウン唸ってどうしたんですかー?」
「パパ!!目の下のクマが凄いよ」
私が研究室で思考に耽っていると、リアとキャロルが入ってきました。
「いえね、対レクレール用のマジックアイテムのアイデアが思いつかないんですよ。どれもピンとこなくて」
あちらを立てればこちらが立たずってやつです。
「レクレールってやっぱりチャーム対策のマジックアイテムなの?」
「ええ、条件としては常時身に着けていられる物がベストなんですよ」
結界が一番安心なんですけでも、動きが制限されてしまうので駄目です。
「常時って寝る時もですかー?」
「寝てる時は警戒心が緩みますからね。チャームへの抵抗力が少なくなるんですよ」
寝てる人間にチャームを掛けて他の人間の寝込みを襲わせれば、簡単に1つのパーティーが全滅するでしょう。
「ケメンさんにローブを作ってもらうのは駄目なんですかー?」
確かにローブの裏地に防御用の魔法陣を構築するのは、そんなに難しくありません。
「ローブだと鎧を着た騎士や傭兵に対応が出来ないんですよ。それに寝間着や着替えも用意するとなると予算的に無理が掛かります」
何より人数分のローブに魔法陣を縫い付けるのに時間が掛かり過ぎます。
「パパ、指輪とかバングルだと駄目なの?」
「指輪だと篭手が着けれませんし、バングルも鎧の邪魔になるんですよ。何より庶民と同じ物だと貴族様が身に着けてくれないでしょうね」
貴族様に合わせていたら値段が洒落になりませんし、あいつより安い指輪は着けれないとか言いかねません。
「常に身に着けていれて動きの邪魔にならない物ですかー。ペンダントだとー貴族がうるさいでしょうねー」
「ペンダントだと、どうしても魔石で防ぐ事になります。使える石が限定されますからね」
「職業だけでも魔術師、傭兵、弓隊、僧侶に武道家、騎士。種族になると猿人族にエルフ、ドワーフ、犬人に猫人もいるし。それに階級が王族、貴族、庶民だもんね。全員が納得して身に着けてくれる物なんてあるのかな?」
一番のネックは王侯貴族の方々なんですけど、この人達は指令系統になるからチャームを掛けられたらお終いなんですよね。
「コージ、いるか?」
そんな話をしていたらノックもなしにドアが乱暴に開きました。
「先輩、ドアが壊れますよ」
「コージ、これをいじれるか?」
私の嘆願を一切無視してエリーゼ先輩は手の平サイズの金属板を机に置きました。
「エリーゼ先輩、これはなんですか?名前を打刻した金属板なんて何に使うんですか?」
「これはガーグのところの腹黒小僧が持ってきたドックタグって言う認証票らしい。打刻してあるのは国と名前、認証番号なんだとよ」
ガーグ王子様のところの腹黒小僧とはザイツさんの事でしょう。
そして国、名前が打刻されていると言う事は
「戦死した時の身元確認の為ですか」
ファイヤーボールを顔にくらったり、ウィンドウカッターで顔を切り刻まれたら誰が誰なのか分からなくなってしまいます。
「らしいぜ。あの小僧、開戦前から戦死者の対策をしやがって」
それがあの少年の怖さなんですけどね。
まして彼の師匠は創地3神の1人なんですよ。
「認証票ですか…金属なら銀もありますし鉄もあります。それに大きさを変えれば魔法陣を打刻できますよね」
各国に魔法陣を打刻したドックタグを送ってそれぞれ名前や認証番号を打刻してもらえらば手間も省けます。
次は個人個人の武装ですね。
ライラ達新しいマジックガールズにも必要になるでしょうし。
マジックガールズ10人頑張ろうかと…
次はどの作品を更新しようかな