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助手からの依頼

side イ・コージ


「リアさん、それで依頼というのは何でしょうか」


「女の子が人混みの中を誰にも気付かれずに移動する手段が欲しいんですけど。例えばダンスパーティーとか」


リアさんにも誘いたい男性がいるんですね。

でも何故か寂しい気持ちになりました。


「詳しい事情を教えてもらえますか?それによって創る物が違いますから」


「絶対に内緒にしてもらえますか?」


「お任せ下さい。可愛い助手の幸せには協力を惜しみませんよ」


「ち、違いますよー。使うのは私じゃないですからー」


何でしょう、このホッとした気持ちは。


「そ、そうですか。それは早とちりしましたね。それじゃ改めて事情を教えて下さい」


「明日、本人を連れて来ますのでー。その時にお話します」


それじゃ今日は結界の開発をしますか。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

次の日の夜


リアさんは定時で帰宅しました。

多分お友達を迎えに行ったんでしょうね。


………


何でしょう。

あの過剰包装みたいな服を着た方は。


「チェルシーちゃん、もう大丈夫だよー」


「先輩、本当に大丈夫なんですか?」


依頼者の方は、ようやく過剰包装を脱いでくれました。

中から出できたのはショーットカットで黒髪の元気の良さそうな娘。

あれは犬耳ですかね?

犬人族の娘さんなんでしょう。


「先輩って事はリアさんの後輩ですか。良かったら事情を話して下さい」


「先輩、顔を出したのに全力でスルーをされました。僕はまだ無名なんですねっ!」


いや初対面なんですから当たり前でしょ。


「チェルシーちゃん、イ・コージさんは昨日までマジックガールズを知らなかった人だから」


「リアさん仕方ないでしょ。私はアイドルとか興味ないんですから。それじゃチェルシーさん事情を話して下さい」


「先輩、興味がないって言われた上に僕の名前を呼んでも気付いてないです。あれはわざとなんですか」


「あれがイ・コージさんなの。私が説明してあげるからねっ」


何でしょう、この珍獣扱いは。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


気まずいです。

リアさんの後輩がマジックガールズのチェルシーさんだったなんて。

私、人気アイドルの前で貴女を知りませんって言っちゃったんですよ。

 

「それでリアさん詳しい事情を教えてくれますか?」


チェルシーさんは若干涙目なんですよ。

犬人族の特徴の耳もしおれちゃっていますし。


「えっとチェルシーちゃんは一昨年までアレクサンドラ家にメイドとして仕えていたんですよー」


「アレクサンドラ家ってクリスさんの御実家のアレクサンドラ家ですか?」


「クリス様はアレクサンドラ子爵の嫡男です。さん付けは無礼ですっ!」

チェルシーさん、そんなにムキにならなくても、犬耳がピンッと立っちゃてますよ。


「チェルシーちゃん、まだ言ってなかったけどもイ・コージさんは私の上司なだけじゃなくクリスさんの大恩人なんですからねー」


…………


「も、申し訳ございません。知らぬ事とは言えクリス様の恩人に無礼な口を聞いてしまい…それしにしてもレディス・バーの女といいファイニー家の馬鹿娘といい僕がお側にさえいればクリス様に近づけさせなかったのにー。よくも僕のクリス様をー絶対に許さないっ」


「えーとリアさん、チェルシーさんが誘いたい相手ってクリスさんですか?」

 

「チェルシーちゃんは昔からクリスさんを慕っていたんですけども、メイドと嫡男じゃ釣り合いがとれないって理由でアイドルになったんですよー」


主任が聞いたら発狂しそうな理由ですね。


「チェルシーさん貴女がクリスさんを慕う気持ちによこしまな物はないですよね」


「当たり前です。クリス様はメイドの僕に勉強を教えてくれたり、美味しいお菓子をくれたり、僕が熱っぽい時なんて内緒でご自分のベッドで休ませてくれた人です。僕は事務所の社長よりもファンよりもクリス様が大切なんですっ!」


主任すいません。

クリスさんとチェルシーさんの幸せの為に本気を出させてもらいます


「リアさん、これから2週間私の食事を研究室に届けて下さい。私はダンスパーティーまで研究室にこもります」


罪滅ぼしにはなりませんが不幸を減らして幸せを創らせてもらいます。



side リア


「イ・コージさんって不思議な人ですね。僕より依頼内容に興味を持たれるなんてアイドルとしては悔しいんですけど」


「イ・コージさんはアイドルだけじゃなく、下手したら自分の幸せや健康にも興味がない人だからねー」


下手したら魔術研究以外は興味が薄いかもしれない


「でも先輩はイ・コージさんに興味があるんですよねっ?まさかあの先輩が甲斐甲斐しくお料理を作るんなんて驚きです」

 

「それも助手のお仕事。それにイ・コージさんはほっといたらパンだけの食生活になっちゃう人なんだからー」


しかも食べながら製図を書いたり魔法陣を彫ったりするしー


「僕はあの人なら先輩を理解してくれると思いますよ」


「人の心配よりもー自分の事を考えなさいー。私やイ・コージさんにできるのは、あくまで移動手段だけなんだからね」


さて、私は上司の健康の為に野菜を買って帰りますか。


ちなみにリアの髪の色はピンクです

イ・コージもいつか1日2話更新してみたい

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