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幕間 イ・コージとイ・ケメン

まやさんからリクエストのあったものは書きました

side イ・ケメン


 世の中には、理解不能を通り越して理不尽と思える事がある。

俺の目の前にいるのはデュクセンでは縁すらなかった美女と美少女の2人。

本来なら声を掛けられるだけでも嬉しい筈なんだけど


「子供の頃のー、コージはどんな子供だったんですかー?」

ピンク色の髪をした美女、リア・クローゼが満面の笑みで俺に話し掛けてきた。

でも、その瞳には俺は写っていないだろう。


「パパったら、自分の過去の事を何も教えてくれないんですよ。今更照れなくてもいいのに」

ぷうと頬を膨らます美少女はキャロル・リーチェ。

リーチェさんも俺への興味は欠片もないだろう。


「クローゼさん、リーチェさん、コージ兄さんは照れ臭いから話さないんじゃないですよ。話す思い出がないだけですから」


「ケメンさんー、私の事はリア義姉さんで良いですよー」

いまだにこの美女がコージ兄さんの恋人だと言うのが納得できない。


「ケメンおじさん、話す事がないってどういう事ですか?」

確かにリーチェさんからしたら俺は親戚のおじさんだろう。

しかしコージ兄さんがパパで俺がおじさんって。


「俺と兄さんが生まれた町ホーフェンは仕立てとファッションの町です。だから住民の価値基準はどうしても、お洒落や格好良さに比重が片寄るんですよ。でもコージ兄さんは昔から着る物の装飾性には頓着しない性格でした」

コージ兄さんは"服に必要なのは機能性と適正な値段、色や飾りにこだわるの無駄を通り越して愚でしかないだろ"そう言ってた。


「当然、俺達3兄弟は白い目で見られていましたよ。そんな中キトウセン兄さんはファッションセンスを磨き、俺は仕立ての腕を磨いて見返してやろうと決めたんです。でもコージ兄さんにはファッションセンスが欠片もなかったんですよ…そんな時、コージ兄さんに魔術の才能がある事が分かったんです。そこからはコージ兄さんはひたすら魔術の勉強ばかりしてました」

今思えば兄さんは魔術にすがる事で自分の事を守っていたんでしょう。


「コージに親しい女性はいなかったんですかー?」


「親しい女性と言うより話した相手は母かヤシ義姉さん、それに半年に1回遊びに来ていたマリーさんぐらいでしたよ。ホーフェンにいた頃のコージ兄さんは会話すら時間の無駄だと言ってましたから」

イ家の男性の顔はお世辞にも格好良いとは言えない。

その中でもコージ兄さんは社交性が皆無に等しいから、自然と周りから孤立していった。

まあ、嫌われているのが分かっていてわざわざ話し掛ける人間はいないからなんだけど。


 偉そうにあんな事をいったが、俺も対してコージ兄さんと変わらない青春を送った。

仕立ての腕をあげる事で職人としては認められたし、コージ兄さんが残していった魔術書を読む事でマジックシュナイダーになる事が出来た。

仕立ての腕が上がれば上がる程、しくじりが許されない騎士や貴族から仕事が舞い込む。

それをこなす為に仕立てに没頭、そしてまた新しい仕事が舞い込む。

それを繰り返して、気付けば立派な独身中年親父が完成していた。

ルーンランドでも腕のいいマジックシュナイダーは少ないらしく、仕事には困っていない。

でも殆どがお偉い貴族様のスーツか宮廷魔術のローブ作り、異性との接点は皆無に等しい。

そんな時、1人の少女が店にやってきた。


「ローブ作って…」

やってきたのは青い髪をおかっぱにした背の低い少女。


「良いですけど、値段が張りますし採寸の時に体に触れますよ」

スーツ程でもないがローブも1人1人の体に合わせないと禄な物が出来ない。


「お仕事してるから大丈夫。…私もキャロルみたいに凄いのが欲しい…」

キャロルの名前で思い出した。

確かこの少女の名前はアリス・ウォーテリア、ライラが大好きなマジックガールズの1人だったと思う。


「それじゃ得意属性と苦手属性。それと普段使ってる武器、戦闘スタイルを教えて下さい」


「…得意なのは水、苦手なのは火。使っているのは杖、それと後方支援」



side キャロル


家に帰って来たらビックリした。

「パパ、さっきビックリしたよ」


「ああ、ケメンの所にアリスさんが来てましたね。ケメンのお店も開店早々繁盛してますよね」


「違うの。アリスが初対面の人と…ううん、あんなに話す事自体が珍しいんだから。アリスは人見知りが激しくてメンバー以外とはあまりお話をしないんだよ」

前にパパに話し掛けた時も、私とリアさんが近くにいたから話せていたんだし。

アリスが1人でお店に来て、男性の採寸を許した上に長い会話をした。

これを聞いたら絶対に他のメンバーも驚くと思う。



side アリス


 ケメンさんの目いやらしくない。

ケメンさんは話すのが苦手な私をバカにしない。

ケメンさんは必要な用件を言ったら会話を終わらせてくれた。

きっと私だけの凄いローブが出来上がると思う。


幕間リクエスト待っています

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