順風と逆風
side イ・コージ
ついに例の共同住宅を買いました。
デュクセンで全てを失った私がルーンランドに来て、とうとう家を手に入れましたんです、まさに感無量と言った所でしょうか。
ローンが残っているとはいえ、これで私も一国一城の主。
この家の大黒柱なんですから、ドッシリと構えてなくてはいけません。
「パーパー、荷物運ぶの手伝ってー」
「コージ、この汚い本は捨てていいんですかー?」
「キャロル危ないからそんな重い物を持っちゃいけません、パパが運びますから。リアそれは貴重な本なんですよー、捨てないで下さい」
私の場合は長年の習慣でドッシリとしていても直ぐに反応する軽い腰なんですけどね。
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私の城の1階には部屋が4部屋があります。
私の部屋とキャロルの部屋で2部屋ですから、残りの2部屋で憧れのマイ研究室と書斎が持てるんですよ。
ちなみにケメンとライラの部屋は2階です。
「コージ、この部屋は私が使いますねー」
えーと、リアは何で沢山の荷物を持っているんでしょうか。
「あのリア随分と沢山の荷物を持って来たんですね」
「それはそうですよー。今日から私もここに住むんですからー。誰かさんはマイ研究室があると、平気で徹夜とかしそうですからねー」
マイ研究室は譲れませんから書斎を諦めなくちゃいけないんですか。
いえ、ここは私の城、決定権は私にあります。
「あの研究室の使用時間は何時まででしょうか?」
「8時までは許して上げますよー」
「なっ!せめて11時、いえ10時までお願いします」
「駄目ですよー!!せっかく一緒に住むんですからーご飯の後は団欒を重要視しますからねー」
確かに恋人とイチャイチャする時間は嬉しいですけども、1階にはキャロルがいるんですよ。
パパ的には教育への配慮との板挟みです。
そうでしね、キャロルがいるんですよね。
「リアすいません、気を使ってもらって。キャロルは家族に憧れてるんですよね。それなのに私が研究室に引き篭もっていたら意味がありませんよね」
「いえいえー、キャロルは私の可愛い後輩ですしー、将来は義娘になるかも知れませんからねー。でも私との時間も大切にして下さいよー」
まあ、キャロルが寝たら大人の時間です。
防音魔法を何重にも掛けておきますか。
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今朝はリアとキャロルが作ってくれた朝ご飯を3人で食べて出勤です。
こんなに幸せで順風満帆で良いんでしょうか?
そんな事を考えていたら逆風が吹いてきました。
「イ・コージさん、朝から呼び出してすいません」
研究室に着くなり所長からのお呼びだし。
そして何時もと違う意味で私の胃が救援を呼んでいます。
「いえ、今日はスケジュールに余裕がありますので大丈夫です。それで用件はなんでしょうか」
願う事なら私に背を向けている白髪の女性関係でない事を祈ります。
「今度新しく入った所員を紹介しようと思いましてね。場合によってはイ・コージさんと一緒に仕事をしてもらうかも知れませんから。今日から開発部の第1課で働いてもらうメイ・ジーナスさんです」
でも祈りって都合よく通じないですよね。
「まさかと思ったがやっぱりコージ先輩じゃないですか。肥満と老化で最初は分かりませんでしたよ。今日からよろしくお願いしますよ。せ・ん・ぱ・い」
メイさんのウインクで私の胃に穴があきそうです。
「こちらこそよろしくお願いします。所長それでは私は研究室に戻りますね」
これ以上いたらメイさんといたら、またスープ生活になりそうです。
「先輩の研究室か。研究内容に興味があるな。後からお邪魔するね」
なんでしょう、何も悪い事をしてないのに罪悪感で一杯なんですよね。
side リア
侮っていましたー。
コージからの情報だとメイ・ジーナスは今年で32才。
でも厚かましくもー研究室に来たメイ・ジーナスは20代半ばにしか見えませーん。
しかもスーツをビシッと着ていて見た目がモデルみたいんですよー。
てっきり私と同じボサボサ髪だと思っていたのにー。
「ふむ、流石は先輩だ。道具の手入れがきちんとしている」
「私の研究室は弱小でからね。道具は大切にしないと…メイさん引っ越して来たばかりだから忙しいんじゃないですか」
「ああ、まだ家も決めていない。どこかに研究室付きの家でもあればいいんですけどね」
ありますけどー、絶対に踏み入れさせまんからねー。
「そんな贅沢を言っていたら中々決めれませんよ。まあ、ルーンランドの研究所には宿泊室もありますからゆっくり探してください」
でもこの2人本当に深い関係だったんでしょうかねー?。
お互いに淡々としいて、そんな風にはー見えません。
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