表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/97

おじさんの過去と決断

久しぶりの更新です

side イ・コージ


 うん、まずいです。

メイさんが本当に魔法研究所に就職するそうなんですよ。

もっとも私と違い実績豊富な彼女は研究所開発部の第1課の所属になるので2課の私と滅多に顔を合わせる事はないでしょう。


「よお、コージ。いよいよ明後日にメイ・ジーナスが1課に来るぞ。昔の女と今の女が同じ職場、修羅場になるかもな。そこで優しい先輩が相談にのってやる」


言葉遣いや態度は男前ですが、エリーゼ先輩も一応は…立派な女性です。

「先輩、お気遣いは有り難いですけど修羅場にはなりませんよ。メイさんは、そういうのと無縁な方ですから」


「しっかし、コージが白の天才魔術師と恋仲だったとはね。ピンクもじゃと言いお前、結構面食いなんだな」


先輩の言う通りメイさんはモデルも出来る美貌の持ち主。

そして純白の髪に抜けるような白い肌から付いたあだ名が白の天才魔術師。

ただ1つ違うのは

「私とメイさんは恋仲じゃありませんよ」


「でもデュクセンじゃお前とメイ・ジーナスは男女の関係だったって聞いたぞ?」


確かに私とメイさんは、男女の仲にはなりました。

「彼女が私と深い仲になったのは魔術研究の為だったんですよ。何しろ私の所から居なくなった後"恋愛が魔力に及ぼす影響について"そんな論文を発表しましたね」


「あっ?どう言う事だ?」


「ですから彼女の論文の中に私は被験者I・Kとし出てるんですよ。私が愛の告白や彼女の態度、彼女と深い仲になった時に魔力はどう増減したかと等をまとめた論文です」


数値データが主ですけど、しっかりと私が言った告白や甘い言葉が書かれた地獄の様な論文なんです。

苦い思い出に、思わず顔を机に伏せてしまいました。


「へー、それはー何歳の時の事ですかー?」


「私が28でメイさんが22の時でしたねって、リア?何時からいたんですか?」


エリーゼ先輩とは声が違う事に気付いて顔を上げるとそこにいたのは、私の助手兼恋人のリア・クローゼ、隣には義娘のキャロルもいます。


「最初からですよ。エリーゼ主任は声が大きいですからねー。廊下にいてもよーく聞こえましたよ。さーあ!!はけ、コージ洗いざらい言いなさいー!!」

く、黒いです、笑ってますがリアの顔は真っ黒です。


「リアさん落ち着いて!!そんなに責めたらパパが何も言えないよ。それでパパ、メイさんとはちゃんとお別れしたの?」


キャロル助け舟は有り難いんですけど、義娘の前で昔の恋愛話は言い難いんですよ。

「論文と一緒に置き手紙がありましたから。"コージ君、君のお陰で面白い研究結果が手には入りました。私は次の研究をする為に外国に行きます。それではお元気で"手紙にはそう書かれていました。私はメイさんの恋人じゃなくモルモットだったんですよ」


恋人と勘違いして研究結果を提供していた愚かなモルモットですね。



side エリーゼ


 コージの奴も女運がないと言うか何とか言うか。

最初の女は親友に盗られて、次はモルモット代わり、その次は犯人に仕立てられる。

「それでコージはメイを恨んでないのか?」


「あの人に悪気はありませんからね。もう10年も前の事ですし」


「パパ、悪気がないからって許して良い事と駄目な事があるよ」


キャロルは大好きなパパ・コージを裏切ったメイにご立腹らしい。


「メイさんの判断基準は魔術研究の役に立つかどうかだけなんですよ。精霊との契約の為に貴族の屋敷に無断侵入する人ですから」

デュクセンで貴族の屋敷は治外法権、無断侵入がばれたら斬り捨てにされても文句は言えない。


「それでコージはメイさんと、また仲良くなるんですかー?」


ピンクもじゃがジト目でコージを睨んでいる。


「またも何も蓋を開けたら仲は良くなかったんですよ。第一、1課と2課じゃ顔を合わせる機会もないでしょ。ただ…」


「ただ、なんです?嫌ですよー!!私は絶対に別れませんからねー!!」


コージ、やっと出来た女もかなり濃いな。

「違いますよ。彼女の才能は対レクレールに役立ちます。恐らく所長もそれを見越してスカウトしたんでしょうね」


「そういや、この間デュクセンでレクレールの勇者パーティーの1人に会ったぜ。そいつはザイツの女にチャームを使っていたな」


リアとキャロルはどん引き、まあ俺もあの時はどん引きしたし。

だけどコージだけは真剣な表情に変わった。



side イ・コージ


 レクレールの勇者パーティーの1人、ウッド・スレイヤーはザイツさんの彼女に対してチャームの魔法を使ったそうです。

これはまずいですよ。


「まずいですね。チャーム対策を早く始めなくては、場合によってはメイさんに協力をお願いしなくては」


「コージさん、何でーですか?」


「分かりませんか?ウッド・スレイヤーはアーチャーなのにチャームの魔法を使ったんですよ。しかも話を聞けば無詠唱じゃないですか。つまりレクレールにはチャームを使える人が大勢いるって事なんですよ」


「パパ、チャームってそんなに怖いの?」


「本来のチャームは自分の魅力を倍増する位ですよ。しかしレクレールの使うチャームはヘルシャフト(支配)に近いんですよ。いわば魅了して支配してしまうと言った感じです。…異端者審問隊が対象者の1番親しい人物にチャームを掛けて殺害した事例もあります彼氏を彼女に殺させ、親を子殺させるんですよ」


私の研究で、奴らのふざけた術を無効にしてみせます。

3部作で人気投票したらイ・コージのキャラはベスト10に入れるでしょうか

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ