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生まれ故郷と名前の由来

ちょっと危険な名前が出てきます

side キャロル


パパの話だとキトウセンおじさんが迎えに来てくれているみたい。

イ・キトウセンなんか強そうな名前だよね。


「兄さんお久しぶりです」


「やあコージ、元気そうでなによりです」


あれ?パパが話している相手は細面でロマンスグレーのおじさん。

優しそうだけれども強そうには見えない。


「兄さん紹介します。ルーンランドで私の助手をしてくれているリア・クローゼとマリーの娘のキャロル・リーチェです」


「君がマリーの娘さんか。そう言われれば若い頃のマリーにそっくりですね」


キトウセンおじさんは私を見ると柔和な微笑みを浮かべてきた。


「おっじさーん、ひっさしぶりー。元気してた?」


「ライラは相変わらず元気ですね。私はルーンランドで楽しくやってますよ」


イ・ライラちゃんは私と年はあまり変わらない感じ、ショートの黒髪でハーパンを履いていて、元気一杯で中性的な美少女って感じ。


「ルーンランドか。ねっ、おじさん今度マジックガールズのコンサートを見に行っていいかな?俺大ファンなんだ」


「ライラそれなら気付きませんか?私の隣にいるのが誰なのか?」


パパの言葉でライラちゃんが私に気付いた様で一気に駆け寄って来た。


「マジ?マジでマジックガールズのキャロルちゃん?うわっ俺大ファンなんだー!!はぁーやっぱり俺と違って可愛いや」


「ありがとう、でもライラさんも素敵だよ。うちのチェルシーと似てるし」


ライラちゃんはマジックガールズの新メンバーに勧誘したい位に魅力的。


「ありがと、でも名前がイライラじゃアイドルはなれないだろ?それに俺はガサツだから無理だよ」


「それに兄さんがルーンランドに行くのを許してくれないでしょ?兄さんは心配性ですから」


あー、パパの心配性は血筋なんだ。

そんな話をしているとホーフェン行きの乗り合い馬車が到着。

当然は私はパパと並んで座った。


「なんかキトウセンおじさんもライラちゃんもイメージと違ってビックリしちゃった」


「兄さんのキトウセンって名前は私の父が強くなる様にって付けたそうなんです、でも兄さんは小さい頃は病弱だったらしいんですよ。だったら次の子は、逆の意味を持たせれば良いんじゃないかと考えた父は素直と反対の意味になる名前を私につけたそうですよ」


それでパパの名前はイ・コージ、意固地になったんだ。


「じゃケメンおじさんは?」


「あー私達よりケメンの方が名前では酷い目にあってますね。私はこの性格でしょ?だからやっぱり理想を叶える名前にしたらしいんですけども、私の兄弟がイケメンになる訳もなくケメンは何の落ち度もないのに名前負けのイ・ケメンなんて呼ばれているんですよ」


確かにイ・ケメンなんてハードルをあげる名前は辛いと思う、見た目が普通でも残念扱いされそうだし。


「じゃライラちゃんは何で?」


「ヤシ義姉さんはサイ家の出身なんですけども、ヤシ義姉さんの父親サイ・ケンさんの遺言なんですよ。孫娘にはライラと付けてくれって。まさかイ家に嫁に行くとは思わなかったでしょうし」


うん、なんか危険な臭いがするから流しておこう。


「でも何で名字が先なの?普通は逆でしょ」


「私達の祖先は東洋の国から来たそうなんですよ。東洋では名字が先になるそうですから」


「ふーん、名前以外に何か名残りがあるの?」


「後は黒髪ですね。だからキャロルも黒髪なんですよ」


知らなかった、私には東洋の血が入っているんだ。


 ホーフェンが近づくにつれてパパの口数が少なくなってきた。


「ここがホーフェンかー。初めて来たのに何か懐かしい感じ。それにしてもお洒落な人が多いね」


多分懐かしく感じたのは、ママが良くホーフェンの話を話をしてくれたからだと思う。


「ホーフェンは織物や皮加工が主な産業なんです。ホーフェン織りやホーフェンの皮製品はデュクセンでも有名なんですよ」


確かにキトウセンおじさんやライラちゃんのフッションセンスは抜群。

でもパパはどちらと言うと着た切り雀。


(だからパパはホーフェンを早く出たのかな?)


「キャロルちゃん、コージおじさんがフッションの街ホーフェンの生まれでビックリしたでしょ?」


ライラちゃんが悪戯っぽく笑う。


「ライラ、勘弁して下さいよ」


情けなそうに笑うパパ。


「やっぱりコージおじさん変わったよな。前はこう眉間に皺を寄せて苦虫を噛み潰した様な顔しか見た事ないのに」


ライラちゃんが眉間に皺を寄せてしかめっ面を作って見せる。

それは物を考えたり作ったりする時のパパの顔にそっくりだった。


「昔の話は良いじゃないですか。ライラお土産が無くなっても知りませんよ」


「えっ!お土産があるの?珍しいー。魔術の教科書とかじゃないよね?」


「きちんとルーンランド製のペンダントをキャロルとリアに選んでもらいましたよ」


そう言ってパパは優しく柔らかく笑った。

この笑いを前から出せていたらパパは独身じゃなかったと思う。



side リア


イ家ですかー。

それだと将来私はイ・リアかリア・イになっちゃうんですかねー。

なんかーいまいちですー。

コージさんにお婿さんに来てもらってコージ・クローゼになってもらうのも良いですねー。


「リアずっと考え事しているみたいですけど具合が悪いんですか?」


「ひゃい?な、なんでもないですよー」


まずは目の前の鈍感魔術師を口説き落とすのが先ですねー。

ホーフェンにいる義母様にできる嫁をアピールしちゃいますよー。

それにコージさんのお袋の味をゲットしてみせますー。


イ・コージのお気に入り登録が1000を越えました(ちなみにザコは約4000山田さんは約500)。

中にはザコ3部作でイ・コージが1番好きだと言ってくれる方も。

番外編を外しても良い気が。

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