依頼内容はピンチが満載
麻雀を分からないつまらないネタがあります
side イ・コージ
負けるなイ・コージ、頑張れイ・コージ、君はデュクセンにいた頃とは違うんだ!!
なんとか脳内で自分応援歌を流す事で顔を上げる事が出来ました。
でも礼儀からいくと直答を許すとか言われない限りは話をしては駄目なんですよね。
「さて早速イ・コージ殿に依頼を話すとしよう。シーメン家の家宝"ハルトヴィレ"がうまく作動しなくなったので直して欲しい。」
家宝?
家宝って言いましたよね?
シカーク家の家宝ハルトヴィレは、名前の通り堅い意志を騎士に宿す力がある杖だと聞いた事があります。
たしかハルトヴィレを使うと、一般人でも困難な戦局に平然と立ち向かっていきます、別名レミングスの杖、レミングスの様に死地に飛び込ませる杖なんですよね。
「もしよろしかったらハルトヴィレを見せてもらいたいのでございますが」
「ふむ、見てからではないと直しようがないのは道理だ。案内をしよう」
えーと何故ジガーク様自ら案内してくれるのでしょうか?
「知っていると思うがハルトヴィレはジガーク家の家宝であると同時にデュクセン10秘宝に数えられる国の宝。戦場ならいざ知らず普段はシーメン家の当主以外は目にする事を禁じておる」
つ、つまりこれから私はジガーク様と2人っきりになるんですか?
嫌です、無理です、全力で拒否したいです。
しかし私の気持ちなんてお構いなしにジガーク様はスタスタと歩いて行きます。
前略母さん、手紙では久しぶりに母さんのポークシチューが食べたいって書いたけど、貴女の息子の胃はカブのスープしか受け付けないかも知れません。
飾り気も素っ気もない石造りの廊下を歩いていくと見ただけで人を圧倒する分厚い鉄の扉が見えてきました。
ジガーク様自ら鍵を外して扉を開けるとありましたハルトヴィレが、見ちゃったからには後戻りは出来ませんね。
ハルトヴィレは広い部屋にポツンとある石造りの台座に鎮座していました。
先ずは遠目から観察をします、使っているの樫の木でしょう。
先端に埋め込まれているのは上級精霊が力を込めたであろう白い精霊魔石。
魔石の周りには魔法陣が彫り込まれており、そこから魔力を伝える線が細かく刻まれています。
魔石に問題はみられません、ジガーク様が毎日敬虔な祈りを捧げている証ですね。
いやそれにしても素晴らしい、これだけ優れたマジックアイテムを目にする事が出来るなんて技術者冥利につきますよ。
許されるならハルトヴィレを見ながら部屋で一杯やりたいです。
「イ・コージ殿何か気づいたのか?」
「魔石自体には問題は見られません。あるとしたら魔法陣か魔力誘導線だと思われます」
近くで見ないと分からないのですが許可なしに台座に近づいたらジガーク様に斬られても文句は言えません。
「やはりそうか。魔力を込めても魔石が光らなくなったのだ」
ジガーク様の手招きに従いハルトヴィレに近づいて細かく観察を始めます。
先ずは魔力誘導線が欠けていなか。
魔法陣が欠けている所はないか。
ルーペも使って細かくみていくと原因は分かりました、分かりましたけども
「ジガーク様、魔力を変換する魔石が3つ程力を失っています。これを新しい魔石に変えたらハルトヴィレは直ります」
「誠か、それなら直ぐに魔石の手配を頼む」
「言いにくいのですが、この魔石は簡単に手に入る物ではありません。ルーンランドの魔法研究所にも在庫が1つあるかどうかといった感じです」
「それならどうしたら良い?何とかならぬのか」
元領主様の頼み、何よりこんなに優れたマジックアイテムをただの杖にするのは耐えられません。
「出来るかどうか分かりませんが私が作ってみます。」
「頼むイ・コージ殿。私の代でハルトヴィレを壊したとあってはご先祖様に申し訳がたたないのだ。ところでイ・コージ殿は宿はどこにとられたのだ?」
ここできちゃいました。
実家に泊まる説明をすると色々な説明をしなきゃいけないんですよね。
「実は私はホーフェンの街で生まれてつい最近まではデュクセンの魔法研究所に勤めていたんですよ」
「イース家の馬鹿息子の被害者はイ・コージ殿であったのか」
ジガーク様の話によると、チャラ所長はデュクセンで大罪人となってイース家は男爵家に落とされたそうです。
男爵は一代貴族、つまりイース家の当主が大活躍をしなければイース家は一般庶民に格下げになるんですね。
素性説明を終えた私はお城から出てキャロル達と合流しました。
情けないんですけどキャロルとリアの顔を見た途端に全身の力が抜けてその場に座り込んでしまいましたが。
なんとか立って近くの喫茶店に来ました。
「家宝と来ましたかー。コージさんは魔石を手に入れる算段はたっているんですかー?」
「とりあえず皇都図書館でハルトヴィレと魔石に関する資料を探します。広いデュクセンで闇雲に魔石を探しても時間の無駄ですから」
幸いにデュクセンには鉱山が沢山ありますから何とかなると信じたいです。
「パパ無理はしないで。そうだ、お仕事が終わったら私が肩を揉んであげるね」
キャロルはなんていい娘なんでしょう。
「さてキトウセン兄さんの待ち合わせ場所に向かいますか」
イ・キトウセン兄さんは私の3歳年上で両親と一緒にホーフェンで暮らしています。
ちなみに父イ・ダシッペ、母イ・シャンテ、弟イ・ケメン、兄嫁イ・ヤシ姪イ・ライラがホーフェンにいる私の家族です。
イーシャンテン、平均年齢が高いイ・コージ読書ならわかる人もいる筈