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報告書+助手+義娘=出張

イ・コージのキャラもだいぶ落ち着いてきました

side イ・コージ


夜が更けておじさんには夜風が厳しい時間になりました。

さて、これからどうしましょう。

明日は今回の仕事の報告をしなきゃいけないんですよね。


……


良く考えたら私は逃げ回る必要がないじゃないですか。

私は研究室の室長、小さくても一国一城の主なんですよ。

まぁ、借り物なんですけど、つまり堂々としてれば良いんです。

そうと決まれば夜のうちにそっと研究室に戻って内鍵を掛けておきましょう。


研究室のドアを開けたら闇夜に目が光っているじゃないですか。

あれは昨日倒したコウアースリザードの幽霊ですか?それとも以前に殺めた冒険者の…


「コージさーん待ってましたよー」


やばいです、見なかった事にして家に帰るとしましょう。


「あー、今まで待ってたのにー。ぬわぁにドアを閉めてるんですかー」


幽霊さんが私の襟首を掴んで離しません。

こんなことなら神聖魔法も勉強しておくんでした。


「全くー、こんな遅くまでー何してたんですかー?」


良く聞けば、その声には聞き覚えがあります。


「もしかして、リアですか?」


「コージさん以外に、この研究室のー鍵を持っている人はー私しかいないじゃないですかー?まーさーかー今日新しい助手の面接をしたんじゃないですよねー?」


眼鏡の奥で目が光っています、今のリアさんを見たら幽霊さんも裸足で逃げると思いますよ。

足のない幽霊が裸足で逃げるとは、これいかに…

止めときましょう、親父ギャグはリアの怒りが倍増するだけです。


「な、何を言ってるんですか。今日は冒険者ギルドにコウアースリザードの討伐を報告して、その後は魔法学園でのお仕事を完遂させてきましたよ」


それに新しい助手を募集したからってリアが怒る訳が分かりません。


「それならー良いんですけどもー。ここにあるヒーリングサンウォーターやレインミントパウダーはどうしたんですかー?コージさんには必要ありませんよねー?だーれーにあげるんですかー?」


怖いです、リアの迫力が凄いんですって。


「それは一昨日採集して来た物で私が精製したんですよ。デュクセンでも良くそうやってお金を稼いでいたんですって」


「お金ですかー?なんにー使うんですかー?まーさーかーレディス・バーにー」


リアの魔力反応が急上昇中しています。


「行きませんって。新しい簡易魔法とか魔術研究書が欲しいんですよ。お金を貯めて精霊と契約したいですし」


「それなら良いんですけどもー。でもー売り上げの何割かは研究室に入れてくださいねー。備品が足りませんからー」


リアの機嫌は治りましたけども酷くないですか。

本来なら必要経費で請求しても不思議じゃないんですよ。

でも弱小研究室の責任者が強気になれる訳がありません。


「分かりました、分かりましたよ。きちんと売り上げはリアに報告しますから」


「それなら良いですー。さっご飯できてますから食べてくださいねー」


そう言ったリアの笑顔は今まで見た事がない可愛い笑顔で思わずドキッとしてしまいました。


――――――――――


さあ、報告です。

無事に仕事を終えたんだから報告はスムーズに行く筈です。


「テガ主任、この間の魔法学園の依頼が完了したので報告書にサインを…」


「どうして?どーしてイ・コージちゃーん!!何で僕が行く前に終えちゃうの?君は自分だけが制服姿のマジックガールズを堪能しちゃうよーな冷たい人だったの?」


「残念なが、会えたのは、私よりも年上の女性教頭と男性体育教諭のみですよ。顧客に不快感を与える訳にいかないじゃないですか」


「サインは?約束のサインはどうなったの?」


テガ主任、仕事の内容は確認しなくて良いんですか?


「ち、ちなみに誰のサインが欲しいんですか?」


当然、マジックガールズで一番可愛いキャロルのサインでしょう。


「随分と難しい選択を迫るんだね。綺麗なフローラさんもいい、元気なチェルシーちゃんも捨てがたい。でも僕の一番推しは可愛いアリスちゃんだー!!」


主任、その気合いを仕事に向けて下さい。


――――――――――


「ゴーマー課長、報告書にサインをお願いします」


「イ・コージ君聞いたよ。素早い仕事、丁寧な仕事、何より顧客ニーズに見事に応えた仕事。君みたいな部下を持てて僕は幸せだよ。それでねっ、君を直々に指名したお仕事が来たんだよ。受けるよね、そーだよね、あっこの人お偉いさんだから気をつけてねっ」


私に言う暇を与えずに仕事を振ってきましたか。

それで仕事内容は…これってデュクセン領内、しかも私の生まれ故郷の近くじゃないですか。


「あのもしかして国外での、お仕事ですか?」


「そっかー、イ・コージ君知らないかもねー。デュクセンの魔法研究所は問題を起こして規模が縮小されちゃったんだよ。何でも所長自らが誘拐をしたんだって。やだよねー、信じれないよねー、お仕事よろしくねー」


すいません、その原因の一端は私なんです。

後これ以上ゴーマー課長といると、次々とハードルを高くされそうなのでお暇します。



―――――――――


「ジェ部長、報告書にサインをお願いしいのですが」


「流石はイ・コージさん無駄に解決が早いですね。いや学院の評判が高いみたいですから近いうちに講師としてよばれるんじゃないですか。イ・コージ先生」


ジェ部長の目が青白く光っています。

仕事を片づけただけで目を付けますか?


「それならジェ部長の方が適任かと。それに私はゴーマー課長から出張を言い渡せれましたので」


「あー、あの件ね。イ・コージさんに振るなんて要領が良いゴーマー君らしいね。そっか君はしばらく国外か、頑張ってくれよ」


自分に関係がない国外の仕事だと分かった途端これなんですから、ジェ部長もゴーマー課長も優秀な魔術師なんですけども個性が強すぎるんですよね。



――――――――――


もう何か疲れました。

ここ数日で気持ちがへこたれまくりですよ。

そんな時に通信用のバングルが鳴りました。

まさかリア帰りが遅いって怒ってるんじゃないですよね。


「パパ、今日お仕事ないから一緒にご飯を食べに行こっ」


天使からの連絡です、持つべきは素直で可愛い義娘ですね。


……


「もう!!パパは人が良すぎ。嫌な事は嫌って言わなきゃ。でもパパの上司の人って、どうしてそうなんだろ」


キャロル、サラリーマンに嫌って言葉は禁句なんですよ。


「仕事だからですよ。自分が必死になっている仕事だから相手の能力に嫉妬をしますし、大切な誰かを守る為なら自分のプライドを捨ててもゴマをするんです。仕事は正しく格好良くだけじゃ出来ませんからね。私だって優れた魔術道具を見たら悔しくて妬ましい時がありますよ」


「アイドルと一緒だね、私も歌やダンスが上手な娘みたら嫉妬しちゃうもんな」


「パパの上司はあからさま過ぎなんですけどね。あっパパ、何日間かデュクセンに行く事になりました」


「デュクセンかー、お母さんやパパの故郷なんだよね…見てみたいなー。ねっパパ、リアさんは誘った?」


「いえ、まだ話もしてませんけど」


「デートだけで満足してちゃ駄目だよ。助手が出張について行っても不思議じゃないでしょ」


義娘にあおられるのは私くらいでしょうね。

キャロルもいつか結婚するんでしょうね。

私、今から号泣する自信がありますから。

さぁ帰郷&出張編です

着いてくキャラはまだ未定

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