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意固地な魔術師と素顔を隠した助手と親の愛に飢えたアイドルは

何とようやくリアの素性が明らかになります

予想ついている人が殆どだと思いますが

side イ・コージ


人を待つ時間って、何故か長く感じますよね。

思わず色々な事を思い出してしまいます。

デュクセンで過ごしていた時代の事、ルーンランドに来てからの事。

思えばルーンランドに来てからは、今までの人生と比べものにならないぐらいに賑やかで楽しいものでした。

こんな私の健康を気遣ってくれた助手のリア。

私なんかをパパと慕ってくれたキャロル。

でも、私を待ってくれている人は、もういなんですよね。

また1人になりましたか…。

草原に吹く風が空虚な私の心をすり抜けていく感じがしました。


「イ・コージさんお待たせしますた。オラ達がこいつ等を連れて行きますだ」

襲撃犯を引き取りに来てくれたのは傭兵隊の隊員のカッペーさんでした。


「カッペーさん、ご苦労様です。ついでにアーマーボアをエリーゼ先輩に届けてもらえますか?」


「よろすかったらイ・コージさんも傭兵隊の馬車で街までお送りしますが」


「ありがたいんですけども、コウアースリザードの角が後3本必要なんですよ。それに今は何も考えずに採集をしたい気分ですので」


採集で珍しい素材を見つけれたら少しは気分が紛れると思いますし。

幸いな事にカッペーさんと別れて1時間もしない内にコウアースリザードの角は3本集まりました。

でも日暮れまでは、まだ時間があります。

今日はギリギリまで採集に励むとしますか。



side エリーゼ


旦那のガドインがキャロルとピンクもじゃを連れて研究所に来た。

酷く落ち込んでいる2人に代わってガドインが詳しい話をしてくれたんだが


全く、あの馬鹿は。

コージの奴、不器用過ぎるんだよ。


「それでお前達はどうしたいんだ」


俺の問いにキャロルもピンクもじゃも押し黙ったまま口を開こうとしない。


「まさか、コージがただの人の良い無害なオッサンだって思ってたのか?あれはあれでお前達が想像もつかない様な体験してるんだぜ?まっ、お前達が距離を置いて離れて行ってもコージは責めやしないさ」


俺はピンクもじゃの前に部署変更希望届けを置く。


「私達コージさんがー怖くなって逃げてきたんですよー。命懸けで守ってもらったのにー」


「もうパパなんて気安く呼んじゃ駄目ですよね。親娘揃ってイ・コージさんの気持ちを裏切ったんですから」


2人共下を向いたまま、零れ落ちる涙を拭おうともしない。


「まっ、そんなに気にすんなって。お前達が思っているよりコージは強いんだぜ。3ヶ月もすりゃ街で会った時に笑いながら挨拶をしてくるさ」


それはきっと作り笑いだと思うけど。



side イ・コージ


落ちたテンションは無理矢理上げまくるイ・コージです。

こんな時に限ってレアな素材が手に入るんですから、ついつい時間を忘れて採集をしちゃいました。

採集用のリュックなんてパンパンに膨れていますし。


でも懐かしいですね、デュクセン時代は、よく採集をして経費を浮かせたもんです。

もちろん浮かせた経費は新しい魔術書や精霊魔術とかにつぎ込みました。

そしてここはオーディヌス中の魔術師が憧れる魔法都市ルーンランド、魔術オタクな私にとっては天国なんですよ。

今までは立場上、行動に制限がありましたが今は違います。

新しい簡易魔法も覚えたいですし、新しい精霊契約もしたいんですよ。

人間落ち込んでいる時はただ下を見るんじゃなく、無理矢理にでも目標や楽しみを見つけて自分のお尻を叩きながら、そっちに進めば良いんです。

街に着いた頃には、もう日が暮れていました。


「そこの旅の人。その格好じゃ食堂に入っても追い出されるのがオチだから、うちで焼き串を買ってきなよ」


私に声を掛けてきたのは串焼き屋台の女店主。

採集で薄汚れている私が長旅をして来た旅人に見えたんでしょう。


「それじゃ豚串、エビ、アスパラ、若鳥、ジャガイモを9本ずつとフルーツジュース2杯下さい」


「随分と沢山買うんだね。家族にお土産かい?」


失敗しました、何時もの癖で3人分を買っちゃいました。

決めました、これは夜食にします。

素材を加工すれば、結構高い値段で売れますから今日取ってきた素材を徹夜で加工しちゃいましょう。



side キャロル


このままイ・コージさんと別れちゃうのかな?

やだ!!パパがいなくなったら、また1人ぼっちになっちゃう。

お母さんは小さい頃からお仕事ばっかりで、小さい私は絵姿のイ・コージさんに話し掛けて寂しさを紛らわしていた。

もしパパに会えたら、いっぱい甘えてお洋服を買ってもらって一緒にご飯を食べるんだって。

そして偶然メンバーのチェルシーからイ・コージって名前を聞いた私はチェルシーに頼み込んでイ・コージさんに会わせてもらったんだ。

だけどイ・コージさんは本当のお父さんじゃなかった。

でもイ・コージさん…パパは私の我が儘を受け入れてくれて娘って認めてくれた。

やっと出来たパパはとっても心配性で、優しくて暖かくて、でもたまに厳しくて。

そして子供だからとか、アイドルだからとか特別扱いをせずに接してくれた。

きっとお母さんはパパの性格を良く知っていたから、最後の時にイ・コージさんを頼りなさいって言ったんだと思う。

そしてお母さんが良く言っていた言葉を思い出した。


「優し過ぎる人に甘え過ぎちゃ駄目よ。知らないうちに距離を開けられちゃうから、でもそんな時は思い切って自分から近づいてみなさい。…お母さんは、それを出来なくて後悔をしたんだから」


私のパパはお母さんを捨てて国に帰った人なんかじゃない。

私のパパは心配性で不器用で優しい最高の魔術師イ・コージなんだから。



side リア


昔を思い出す。

マジックガールズの初代メンバーだった頃の事を。

加熱する人気により私は学校を追い出された。

それでも私は男性の欲望剥き出しの視線に晒され続けた。

気付いた時には歌を歌えない所かステージにも立てなくなっていた。

私が分厚い眼鏡を掛けて、髪をボサボサにしたのも自己防衛。

そしてマジックガールズのリアちゃんから、ただのリア・クローゼに戻った私は魔法研究所で働いていた。


でもそのお陰で、あの不器用過ぎる魔術師に会えたんだよね。

放っておくと、ご飯も食べずにお仕事ばっかりする人。

自分の研究成果を子供みたいに無邪気な顔で説明してくる人。

とてつもなく強い魔術師なのに、私やキャロルに叱られると慌てて謝る人。

私には想像出来ない辛く暗い過去を持っていた人。

そしていつの間にか、私の心に住み着いて素顔を晒しても態度を変えなかった大切な人。

多分、私が大好きな男の人。


「コージさーん、逃がしませんよー。元アイドルのプライドにかけて貴方を夢中にさせちゃいますからねー」



イ・コージ帰郷編とか上司と出張編とか接待編とかも書いてみたい

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