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南エルフの暴挙

side イ・コージ


今日は北エルフと南エルフの試合があります。

私は設置したマジックアイテムの試合事の切り替えとマジックガールズ(キャロル中心)のコンサートを楽しむくらいです。

そんな時、所長から緊急呼び出しが掛かりました。

嫌な予感しかしないんですけども、行かなきゃまずいですよね。


「イ・コージです。何か御用でしょうか?」


所長室の空気が緊迫しています。


「エリーゼ主任の娘エリナさんが誘拐されました。犯人は南エルフ。今日の試合で南エルフの行為を黙認すれば解放するとの手紙が届いたそうです」

今回の試合の審判を務めるのはエリーゼ先輩の旦那さんのロックオーガ伯爵。

つまり南エルフの反則行為を認めろって事ですか。

あり得ませんね。

愚策も愚策、もし試合に勝ててもサン・エルフ帝国の評価はがた落ちになるんですよ。


「エリーゼ先輩はどうしていますか?」


「今は強制的にスリープの魔法で眠らせているそうです。心の負担もありますし行方不明になった時から自分を際限なく攻めていたそうですから」


私にとって義娘のキャロルは大切な存在です。

それが実子となればエリーゼ先輩の苦しみは筆舌に尽くしがたいでしょう。


「エリナちゃんはどこにいるか分かったんですか?」


「いいえ、まだです。大っぴらに捜索をするとエリナさんが危険ですから。この事を知っているのもロックオーガ家の人達と傭兵隊の一部の隊員と私達ぐらいです」


確かにそうですけどもエリナさんはまだ5歳ぐらいな筈、エリーゼ先輩の為にも早く見つけなくては。


「それなら私が見つけます。エリーゼ先輩には返しても返しきれない恩がありたますから」


「しかしエリナさんは結界に封じられているらしく魔力反応が見つからないそうですよ」


エリーゼ先輩の血を引いているならエリナちゃんの潜在魔力も低くはない筈。

だから誘拐犯はエリナちゃんを結界に封じたんでしょう。


「探すのは精霊反応です。北エルフと南エルフのが使っている宿屋以外で高い精霊力があればエリナさんはそこにいると思うんです」


犯人が南エルフなら襲撃を警戒して精霊魔術師をメンバーに加えている可能性が高いでしょう。


「できますか?範囲はかなり広いですよ」


「出来る出来ないの問題じゃありません、やってみせます。今から研究室で魔力感知の魔法陣を構築を始めます」



――――――――――


「リアお願いがあります。エリーゼ先輩の娘さんのエリナさんが南エルフに誘拐されました。今から私は南エルフが契約している精霊を魔法陣で探すつもりです。協力して下さい」


「な、何言ってるんですかー?精霊に感づかれたコージさんの身が危ないじゃないですかー?」


精霊は人間より何倍も魔力に敏感です。

そしてプライドの高い彼らは人間に探られていると分かったら激しく怒るでしょう。


「大丈夫です。感づかれる前に魔力を遮断しますから、リアには私が話す言葉を記録して所長に伝えて下さい。途中で魔力切れを起こす可能性もありますし」


最悪はキャロルへの遺言もお願いしたいんですよね。


「いやですー、何でーコージさんは無茶ばかりするんですかー?私の気持ちや心配は無視なんですよねー?」


リアみたいに若くて美しい女性が心配してくれるのは嬉しい限りです、でも


「リアだからお願いできるんです。エリナちゃんはまだ5歳なんですよ、早く見つけてあげて先輩の所に戻してあげないと。それにこのままいって南エルフが勝ったら直ぐに協力をしなかったルーンランドは攻め込まれるかもしれません」


最初からその気がなければ一国の王子が誘拐なんて暴挙をする訳がないです。


「うー、デートの時に食事の他にー服とかも買って下さいよー。それとーキャロルばかり構わないで私の事も構って下さいよー」


リア半泣きでそんな事を言ったら誤解しちゃいますよ。

…まあ、上司が命懸けで仕事をするんですから半泣きになるのは当たり前ですよね。


「分かりました。それで始めます」


……まず街中にある反応はスルーします。

誘拐犯が隠れるとしたら郊外でしょう、しかも南エルフは容姿的目立つますし。


side リア


もうコージさんがエリナちゃんを探して2時間はたったと思う。

コージさんは魔力、精神力、体力をかなり消耗している様で額には冷や汗が浮かんでいた。


「コージさんはもう十分探しましたよー。もう諦めましょうよー」


このままじゃ良くて気絶、最悪の場合は…


「もう少し待って下さい。次は街の南に広がっている森を探ってみます」


「森には自然精霊もいるんですー。区別をつける為に探っていたら感づかれちゃいますよー」


コージさんの顔色が悪くなっていく。

時間にしたら1分もたっていないんだろうけども、沈黙の時間は永遠に感じれた。


「み、見つけました。森の中にある小屋にルーンランドにはいない精霊が3体いました。リア所長に伝えに行って下さい。私は一休みしたら会場に向かいます。私がいないと南エルフが疑りますからね」


気づくと私は所長室に向かって走り出していた。

所長にコージさんの話を伝えてエーテルをもらってくるんだ、自己愛が薄すぎる大切な人の為に。

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