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イ・コージ 処遇を知る

イントルさん大活躍?です

side イ・コージ


「コージ、邪魔するぜ。お前にプレゼントだ」


研究室に入って来たエリーゼ先輩は苦々しい表情をしながら、私の机の上に2通の書状を叩きつけました。


「これはデュクセン皇国とエルフィン聖王国の書状ですよね?もしかして私の存在がデュクセンにバレたんですか」


つまり私は元の死刑囚に戻るんですよね。


「さっき旦那の所に北エルフの王子が訪ねて来た。王子の名前はガーグ・エルフィンローズ、お前を捕まえたガーグ冒険者隊の頭だよ」


「でもあのパーティーにエルフはいませんでしたよ。トロルはいましたけど」


「ハゲ頭の厳つい髭面がいたろ?信じれないがあれがガーグ王子だ。ったく俺とした事がガーグ相手に片膝ついちまった」


片膝をついたのが、余程忌々しかったのか先輩はかなり不機嫌です。


「つまり私はエルフィンの王子に対する殺人未遂をした事になるんですか?そんなの即死刑じゃないですか」


最近、運が良過ぎたんです、反動ってやつでしょうか。


「コージさん逃げましょうー。私と一緒にルーンランドから逃げちゃいましょー」


いや、リアさん貴女は逃亡生活に付き合う必要はないんですけど。


「逃げませんよ、素直に元の地下牢に戻ります。これ以上皆様に迷惑を掛ける訳には行きませんし」


「やだ!!パパは私のパパなんだから勝手にいなくなったらダメっ!!」


キャロルは半泣きになっています。

その涙だけでパパは満足です。


「盛り上がっている所悪いがコージは無罪扱いになるそうだ。詳しい話はイントル頼む」


先輩が廊下に向かって声を掛けました、イントルってまさか…



side キャロル


エリーゼさんの声にあわせて入って来たのは、大きな男の人と赤い髪の女の子。女の子は猿人族だと思うんだけども、男の人の種族はなんなのか?


「失礼します。イ・コージさんお久しぶりですね、私の事を覚えていますか?」


男の人は恭しくパパに一礼した、それは典雅と言って差しつかえないぐらいに折り目正しい挨拶。


「貴男は確かあの時のトロル?」


ト、トロルって言ったら魔物だよ。

危険なんだよ、リアさんも身構えた。


「リア、キャロル止めろっ。こいつはイントルは危ない奴じゃない。少なくともこの部屋にいる誰よりも理知的な奴さ。全くガーグがエルフの王子でお前がトロルかよ。逆なら納得なんだけどな」


「エリーゼさん、誉め過ぎですよ。それにトロルを警戒するのは当たり前じゃないですか」


「しかしイントルは相変わらず堅苦しい話し方をするよな。それとうちの若い娘が迷惑をかけて済まん」


「いい娘さん達じゃないですか。誰かの為に必死になれる立派な事です。口では言えても、いざとなればできない事ですよ」


エリーゼさんよりトロルさんの方が何倍も礼儀正しい。

しかもあんな穏やかな笑顔を浮かべるトロルなんているの?


「まっ、俺にしてみりゃ堅物のイントルに女が出来た事の方がびっくりしだけどな」


「は、初めまして皆様。自分はガーグ冒険者隊所属のハンナ・ハンネスであります。…イントル自分の言葉遣いおかしくないよね?」


ハンナさんは最初は稟としていたけど、イントルさんに話しかける時は甘々になっていた。


「大丈夫ですよ。でもハンナは冒険者なんですから、あまり大きな声をだしたら警戒されますから気をつけて下さいね。申し遅れました私の名前はイントル、お聞きの通りトロルですので名字はございません。今日はガーグ王子の名代としてイ・コージさんの罪が無罪となった経緯をお伝えにきました。ただ浅学でございますから至らない所があると思いますがご容赦下さい」


その後エリーゼさんに促されたトロルさんは物音一つたてずにソファーに腰を下ろした。

エリーゼさん、ハンナさんが座る音の方が何倍を大きいって不思議だよね。



side イ・コージ



「話を始める前にエリーゼさんを含めて女性に話すのは心苦しい内容もありますので、もしあれでしたら女性の方は退出した方がよろしいかも知れませんね」


イントルさんって言葉遣いだけじゃなく、心遣いも紳士なんですね。

あの先輩をレディとして遇してるのですから。

リアもキャロルも退出する様子がないのでイントルさんは話を再開してくれました。


………


チャラ所長、何をしてくれてるんですか。

私が開発した魔法で略奪行為をするなんて、イントルさんが濁したくれたから良いですけど義娘に女性奴隷の誘拐なんて聞かせたたくないです。


(パパ、そのチャラってクズはどうなったの?)


(行方不明つまり殺されたんですよ。犯人はイース家の者ですね、子爵家を守る為でしょう)


「分かりました。公平な情報を提供します、でも私はデュクセンに帰るつもりはありませんから」


「それがよろしいでしょう。もし宜しければ帰りに手紙をお預かりしましょうか?」


さて、これで何の憂いもなく舞台を作れますね。



side ヤ・ツーレ


油断のならない少年ですね。

イ・コージさんの無罪を伝えに来た少年、ザイツ・コウサ。

一見すると三下っぽい雰囲気をだしていますが、あれは私と同種属の人間です。


「公平な情報の提示ですか?本当にそれだけで宜しいのしょうか?」


「別にイ・コージさんが何でルーンランドにいるのかを知りたい訳じゃないんすよ。南エルフの人達は因縁をつけて試合に持ち込んだっすからね。あの手の人達が試合まで何もしない訳がないっすからね。それに下手な事をしたらガーグ王子の信頼を傷つけるだけっすよ」


つまり、脱獄を黙っている代わりに情報をよこせと。

相手ペースの交渉はつまらないですね、ちょっと脅してみますか。


「分かりました。そういえば最近ルーンランドは月明かりが暗いんですよ、夜道は気をつけて下さいね」


「そうなんっすか、それなら夜は冒険者宿から出れないっすね。冒険者ギルドの宿屋なら心配ないっすもんね」


つまり、宿屋にいる時に手をだせば冒険者ギルドと対立すると


「そうですね、冒険者宿なら安心です。でも郊外に行くと誘拐とかの噂もあるのでお気付けください」

「シャルレーゼ・エルフィンローズ女王、デュラン・マクスウェル伯爵、時空竜ビルクーロ、バルドーの宮廷魔術師ミッシェル・ブラックローズ、魔導師ロッキ・バルボー。有名無名様々な人がいるっすけども、全員それなりの力を持つ人っす。それが返事っすよ」


つまりザイツ達に手を出せば国や精霊が動くって事ですか。


「時空竜とは。昔話じゃないんですから」


意味のない脅しにのる訳にはいきません。


「これは俺の師匠ロッキ・バルボーから授かった魔石なんすけども」


ザイツが取り出したのは真っ黒な魔石…

これは確かに時空竜が、かなりの力を籠めてますね、精霊からの贈り物としては国宝にもなる最上級レベル。普通の冒険者が手に入れる事は適わないでしょう。



「やれやれ、今回は私の負けです。子供相手と油断した事と準備で差がつきましたね。

いいでしょう、私が知っている情報は教えて差し上げます」


「勝負なんて嫌っすよ。俺はあくまでも話し合いに来たんすから。それに俺には自分で動かせる力はないっすから長期戦だと不利になるから勘弁っす」


やれやれ、負けを認めれば油断すると思ったんですけどね。


「まさか北エルフ側にこんな人がいるとは思いませんでしたよ」


これは北エルフと仲良くした方が得策ですね。


クロス具合が難しいです、片方しか見てない人はきついかも

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