マジックガールズのエルフ
自分のやっているSNSでザコやイ・コージを知っている人がいるか聞いてみたいです
side イ・コージ
ロックオーガ伯爵から預かった依頼書を確認しているんですが、正直言うと拒否をしたいです。
だって南エルフからの依頼は、あからさまに自分達を有利にしようとしてるんですよ。
こんなの私が確実に、北エルフの皆様に恨まれちゃいますよ。
「パパ、渋い顔をしてどうしたの?」
頭を抱えている私に話掛けてきてくれたのは、義娘のキャロルでした。
「キャロル…。そう言えばマジックガールズにエルフ族の方がいましたよね」
「うん、フローラは凄い美人だよ。パパも、この間のコンサートの時に見たでしょ?」
あの時パパはキャロルしか見てませんでした。
「見たと言えば見ましたし、見てないと言えば見てないんですよね。それでフローラさんは北エルフですか?南エルフなんですか?」
キャロル、パパぐらいの年になると若い娘はみんな同じに見えちゃうんですよ。
「もうパパちゃんと見てなかったでしょ?フローラは色白な北エルフだよ」
まずいです、パパはキャロルの仲間に恨まれたくないです。
「そうですか。一度フローラさんと話が出来ませんかね?ちょっと確認をしておきたい事があるんですよ」
――――――――――
数日後、キャロルがエルフの少女を連れて来てくれました。
「パパ、フローラを連れて来たよ」
フローラさんの特徴は色白さと長い金髪でした。
「お初にお目に掛かります。フローラ・ブルーローズでございます。イ・コージ様のお話はキャロルさんから良く伺っておりますわ」
フローラさんはロングスカートの端を軽く摘んで頭を下げてきました。
「話ですか?口うるさいとか甘いとかでしょうね。ところでフローラさんガーグ・エルフィンローズ王子とは、どの様なお方なんでしょうか?」
ガーグ・エルフィンローズ王子は北エルフの代表にして、エルフィンの王位継承者なんですが誰も詳しい人物を知らないんです。
私はガーグって名前に縁があるんですかね、私を捕らえた冒険者の名前もガーグでしたし。
「ガ、ガーグ様が王位継承者として認められたのですか?それはなんて嬉しい知らせなんでございましょう。あぁ精霊様感謝致します」
フローラさんは感激のあまりに涙を流しました。
「ガーグさんは、そんなにも優れた人物なんですか?」
それならもう少し有名だと思うんですけども。
「お口を謹んで下さい。ガーグ様はシャルレイン王女の直系にあたられる尊き血筋のお方です。さん付けなんて不敬な口の聞き方は精霊様がお許しになっても、不肖フローラ・ブルーローズが許しませんわっ!!」
今度フローラさんは、烈火の如く怒って来ました。
「お気に触ったのなら謝ります。しかし私は血筋で人を判断しません。今回私が受けた依頼は著しく北側に不利な為にガーグ王子様のお人柄を知りたかったんですけどね」
「フローラ、真面目なパパが情報漏洩なんて奇跡に近いんだからねっ。パパはルーンランド以外に居場所がないのにフローラに話をしてくれているんだよ」
キャロル、やっぱり持つべきは優しい義娘ですね。
「申し訳ありません。つい興奮してしまいましたわ。ガーグ様は強くて勇壮、正義感や不屈の闘志を持たれている方ですわ。もちろんお優しく民にも分け隔てなく接してくれます」
勇壮で不屈の闘志を持つエルフさんですか?
いまいち想像がつかないんですけども。
「フローラさんはガーグ王子の側近に誰か親しい方はおられますか?」
「ええ、我がブルーローズ家は貴族の家柄ですごさいますから。それならミッシェル様やセシリーが適任ですわね」
「ミッシェルさんもセシリーさんも随行員として名前が挙がってましたね」
不思議な事に、随行員の欄にその他の表記がありましたけど
「ミ、ミ、ミッシェル様がルーンランドに来られるのですか。ああ、離れていても赤い糸で繋がれた者同士は巡り会う運命にあるのですね」
どうやらフローラさんは遠い世界に旅だったらしく、中々戻ってきません。
「キャロル、フローラさんって、こんなに濃い方だったんですか?」
「普段は冷静なんだけどね。愛国心が強いっていうか、エルフィンの事になると人が変わっちゃうと言うか」
「ああ、ミッシェル様口では何だかんだ言っても2人の気持ちは一緒だったのですね。2人はガーグ様を支えてエルフィンをより一層素晴らしき国に導く選ばれたエルフなんですわっ」
…パパは、キャロルがマジックガールズにいるのが心配になってきました。
人気投票最終日、結果は後日に
まぁ一位は断トツであの方なんですけど