ソニアの正体?
side キャロル
「申し訳ありません。ソニアさんのバッグが盗まれてしまいました。私が皆様の美しい歌声に惹かれて席を外したばっかりに。でもご安心下さい、必ずこの私が醜いストーカーを捕まえてみせます」
キーザンがわざとらしく騒ぎ立てている。
だけど残念、貴男がパパに捕まるんだよね。
「キーザン様、犯人の目星はついているんですか?」
チャームの効果なのかソニアはキーザンの大根演技に疑問をもっていないみたい。
「ええ先程イ・コージという中年とカッペーという田舎者が訪ねてきました。あいつ等が怪しいかと」
(キャロル、ソニアあんな状態だけど大丈夫なのかな?)
(私のパパに抜かりはないよ。ちゃんとソニアを元に戻すマジックアイテムはあるから。後は使うタイミングだけ)
「イ・コージ?あのキモい親父?やっぱりあいつがストーカーだったんだ。嫌だ最低!!」
(キャロル…目が全然、笑ってないけど大丈夫?)
(チェルシー私は全然怒ってないよ?パパはソニアの為に徹夜したのにキモいなんて言うのはチャームの所為だから仕方ないんだよ……ねぇー)
決めた!この怒りはキーザンにぶつけよう。
「私はあのカッペーとかいう田舎者の仕業だと思いますよ。きっとそうです」
「カ、カッペーは子供の頃から剣術を頑張っていたから小太りなんかじゃないですっ」
パパいわくチャームは女性の香水みたいな物なんだって。
あくまで自分の魅力を魔法で底上げするだけで元からある感情を消し去るなんて事は難しいらしい。
「私の心配をしてくれるとはソニアはなんと優しいんでしょうか。私の華麗で美しい剣術があれば田舎剣術なんて相手になりません」
今の言葉をどう解釈したらそうなるんだろう?
きっとキーザンには強力な自己愛チャームが掛かっていると思うんだ。
「随分と賑やかですね。マジックガールズの皆様が戻って来たのなら結界の点検をして良いですか?」
そんな中、パパとカッペー君がシレッとした顔で登場してきた。
「ふん、お前の間抜けな結界の所為でソニアのバッグが盗まれたんだ。いや自分で作った結界なら出入りは自由な筈…犯人はお前達だっ!!」
キーザンはビシッと音がしそうなぐらいにパパ達に向かって指をさした。
馬鹿だ、筋金入りの馬鹿がいるよ。
「いきなり犯人扱いですか。証拠はあるんですか?」
かたやパパは冷静そのもの、大人の余裕ってやつ。
「証拠?お前達が犯人ならソニアのバッグを持っている筈。そうカッペーが持っているバックはソニアのバックに間違いないっ!」
いや、パパ達が犯人なら、こんなに堂々とバックを持っていないでしょ。
「このバックがソニアさんのバックだって証拠はありますか?同じ型のバックなんていくらでもありますよ?」
「ふっ、語るに落ちたな。ソニアのバックにはハンカチと口紅が入っているんだ。そのバッグの中にもきっとあるさ」
うわっ、最悪、あいつソニアのバッグの中身を見たんだ。
「仕方ないですね。カッペーさんバッグを開けてみて下さい」
カッペー君がバックを開けてひっくり返すも中身は空っぽ。
「何も入っていませんよ。それにね、私達がこのバッグを手に入れるのは不可能なんですよ」
パパは私達の間をすり抜けると控え室のドアを開けて控え室の入り口を叩いた。
「聞こえますか?私が叩くのにあわせてカンカンッって音がするのを。私はキャロル…さんにお願いしたのは罠としてわざとソニアさんのバッグに結界を張らない事そして控え室全体に結界を張り巡らせる事ですよ。だからあの時私とカッペーさんは控え室に入らなかったんじゃなく、入れなかったんですよ」
パパの存在はみんなにも内緒だから仕方ないけんだども、パパにさん付けされるのは凄く嫌。
「コージ君、パンチョも全てはいたよ。ちょっとだけ、ほんのかなりだけどエリーゼが張り切りすぎてパンチョは気絶しているけどね」
確かあの人は傭兵隊の隊長様、つまりエリーゼ主任の旦那様。
そして何時もエリーゼ主任のしごき?に耐えてるパパは何気に丈夫なんだよね。
「ちなみにーソニアのバッグは私が持っていますよー。パンチョさんが無理矢理カッペーさんに押しつけたのをー私が預かっていたんですよー。でもキーザンさんは何でバッグの中身を知っていたんでしょうねー」
続いて嫌味たっぷりに登場したのはリアさん。
「う、うるさい。この下民共が!!僕のお父様は子爵なんだぞっ」
うわっ、なんてお約束なキレかたをしちゃうの。
そんな事よりもパパがアイコンタクトをしてきた。
私はバングルにハマっているアンチ・チャームの魔石に魔法を流し込む。
廊下を浄化の白いを光が包み込む。
「今の光はアンチ・チャームの光です。ここでネタばらしはしないであげますから、後はロックオーガ伯爵様が貴族審問会に連行してくれますよ」
ロックオーガ様は伯爵家当主、キーザン・ナルシーは子爵家の次男、どちらが身分が上かは明瞭だ。
「僕に命令するなっ!!斬り捨ててやるっ」
キレたキーザンがパパとカッペー君に斬りかかる。
「オラに任せるだす…」
カッペー君がツツと静かに前へとでる。
落ち着き払ったその姿はドタドタと走るキーザンとは対照的。
そしてもう1人カッペー君と対照的なのがソニア、真っ白な肌が誰を心配してか真っ青だ。
カッペー君とキーザンがぶつかる寸前、カッペー君は静かに腰を落として刀を煌めかせる。
キーザンはドシャリッと崩れ落ちる音まで賑やかだった。
「心配ないだす。峰打ちだすよ…」
静かに呟くカッペー君。
「なに格好つけてんだ、おめえ。オラがどんだけスンパイしたがわがってらんだが?(なに格好つけてんのよ。私がどれだけ心配したか分かってるの?)」
(キャ、キャロル。ソニアさんどうしちゃったんですか?)
(ソニアは興奮するとお国訛りがでちゃうんだよ)
「なに言ってるだす。オラがあったらだヘッポコ騎士さ負げるワゲねえべ(何言いやがる。俺があんなヘッポコ騎士に負ける訳ないだろ)」
「オラがせっかくスンパイすてやってるのに、めごぐねえじゃ(私が心配してあげてるのに、可愛くないわねっ)」
(えーと、ソニアさんがカッペー君を遠ざけた理由って)
(ソニアはプライドの高い流行の最先端をいく猫人族ってのが売りだから、あの訛はだしたくないみたいんだ)
「しゃしねっ、オラは隊長さ鍛えでもらって、わやつえぐなったんだ(うるさいっ、俺は隊長に鍛えてもらって、凄く強くなったんだぜ)」
「あーわがったじゃ。もう頼まれでもスンパイしてやらねはんでな(わかったわよ。もう頼まれても心配してあげないんだからねっ)」
ツンデレ訛り猫人族じゃマニアック過ぎるもんね。
side イ・コージ
色々と片づいたある日、ロックオーガ伯爵が研究室に訪ねてきました。
「闘技場の建設ですか?」
「ああ、最初から作るんじゃなく仕掛けを作って欲しいんだ。サン・エルフの奴等注文が多くてよ」
この時まだ意外な再会に繋がるとは予想もしついませんでした。
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