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素材を扱うという事

毎日更新を続けるか悩み中。

side イ・コージ


ここ私の研究室ですよね…

リア・チェルシーさん・キャロルの3人がファッションの話をして盛り上がっているんですけど、何を話しているかが、全く分かりません。

そろそろお仕事を再開しませんかの一言を言うタイミングが掴めずにいた時、ノックも無しにドアが開きました。


「イ・コージちゃん、お願いがあるんだけど。魔石の原料を発注し忘れたから採集して来てちょうだい。これに詳しい事が書いてあるから。それじゃーね」


テガ主任は依頼書を置くと同時に姿を消しました。

主任、久しぶりに研究室に来たのに、自分のミスを尻拭いさせるつもりですか。


「パパ、何あれ?パパに物を頼むのにあんな言い方をするなんて!」 

キャロル、一応は私の上司なんですから、あれって言うのは止めて下さい。


「僕ああいう人大っ嫌い!」


主任はチェルシーさんやキャロルの事を大好きなんですけどね。


「嫌味ネズミって役にたっているんですかねー?」


リアさん、誰かに聞かれたどうするんですか?


「嫌味ネズミね。ピンクもじゃも、上手い事を言うじゃねえか!コージ、テガから引き継ぎを受けたか?」


「先輩おはようございます。これから内容を確認する所ですよ。先輩が来たって事は3課も関係しているんですか?」


「ああ、2課からサンプルが中々来ないから催促に行ったらテガの奴がコージにお願いしましたって言い訳をしたからよ」


正確には材料調達の段階から丸投げをしてきたんですけどね。


「エリーゼさん、なんでアレのミスでパパにしわ寄せがくるんですか?あれが主任なんですか?」


「へー、キャロルは随分とコージの肩を持つな。テガは役に立ってるよ。成功しそうな開発を嗅ぎ分ける能力と才能を持った新人を見つけだす能力に関しては天下一品だぜ。俺だけじゃなく3課の他の主任や営業の連中もテガの動きには注目をしているからな」


早い話がテガ主任は2課の才能を見つける為の目印なんですね。

漁の時に鳥山を探すみたいなものですか。


「先輩、あまり聞きたくないんですけど開発の猶予期間はどれ位残っているんですか?」


「俺も鬼じゃねさ。3日待ってやる」


流石はエリーゼ・ロックオーガ、名前も言う事も鬼ですよね。


「エリーゼ主任、あんまりですよー。内容も知らない開発を3日でやれなんて酷過ぎますー」


「あのなピンクもじゃ、俺は内容を分かっているから3日って言ったんだよ。コージなら1日もあれば十分な依頼なんだよ」


先輩は私の能力を把握しきっているからきついんですよね。


確かに依頼内容を見る限り1日あれば充分なんですけども


「先輩、魔石はどうしますか?採集を頼める冒険者を紹介してくれるんですか?」


「パパ、なんで冒険者さんが必要になるの?」


なんかパパって呼ばれ方に慣れてきている自分がいます。


「普通は研究所にある材料を使うんですが鮮度が重要な物や特殊な素材は冒険者に依頼をして採集して来てもらうんですよ」


「はいはーい!僕からの質問。鮮度が必要な物って何があるんですか?」


チェルシーさん、研究室には5人しかいなんですから、そんなに元気良く手を挙げなくてもいいのでは。


「例えば花の中にはしおれたら効能が薄くなる物がありますし、水も腐ったら力を失います。魔物の目や血液も鮮度が重要なんですよ」


「へー、でもパパも元冒険者さんなんだよね?」


キャロル、それは止めて下さい。


「コージ、可愛い娘が期待してるぞ。これは父親として格好良い所を見せてやらないとな。…さぁ久しぶりに採集クエストと洒落込むか!!」


そんな事を言いますけども、先輩は暴れたいだけじゃないですか。


「天然石の採集ですか…この近くで採集できる場所があるんですか?」


「ああ、近くの岩山で天然石が採れるぞ。出没する魔物もオークやトロルみたいな安全な奴ばかりだしな」


それは先輩だから言える言葉なんですよ。


「今回必要な天然石はアメジストですか。キャロル・チェルシーさん、魔石の作り方は分かってますか?」


結構、基本的な事ですよ。


「えーーとキャロル、わかる?」

 

チェルシーさん、実習を厳しくしますよ。


「パパ、石に魔力を注ぎ込むんだっけ?」


キャロル、微妙に惜しいです。


「磨きあげた天然石、所謂パワーストーンにその石に合わせた魔力を染み込ませて魔力変化をさせたのが魔石です。例えばアメジストは浄化の力をもったパワーストーンですから浄化の魔法陣の上に置いて力を付与していきます」


「パパそれ3日で出来るの?」


キャロル、いい所に目を付けましたね。


「今回は時間がないので私が魔力を浴びせていきます。……多分、徹夜に近くなりますけどね」


とりあえずアメジストを採りに行きます。


―――――――――


「なんでリアやキャロル達も着いて来ているんですか」


「私はコージさんの助手ですからー」


採集に助手は必要ないですよって、言ったら反論が凄いでしょうね。


「パパの冒険者姿も見てみたいし、これも大事な実習なんでしょ?」


キャロルに何かあったらマリーに顔向けができないんですけど。


「僕はとうとう、その他扱いなんですか!」


チェルシーさん、すいません。


「ところで皆さんは魔物との戦闘経験は…ないですよね」


「コージ丁度いいじゃないか。これも大事な実習だよ」


確かに私達が何気なく使っている材料の採集がどれだけ危険なのかを知るのも大事ですよね。

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