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イ・コージの望み

1日でお気に入り登録が40を越えていました

イ・コージ最初はネタキャラだったのに感謝です

side イ・コージ


真夜中の研究室で中年の男が机の上に置かれた物をジッと見つめていた。


これしかないですよね。

依頼からは些か離れていますけども、使い勝手とかを考えると、これが一番ですよね…。


(明日リアさんの反応を見てから決めますか)


イ・コージは冷たい床に寝転がってぽっちゃりした体を毛布で包むと眠りについた。


side リア


それを見た時にリアは頭を抱えたくなった。

一応は尊敬をしている上司が研究室の床で寝ていたからである。


(この人は私がいなきゃ研究室に住み着ちゃうんじゃないかな?)


自分も同い年の女の子に比べたら自己に対する関心が薄いほうではあるけども、この上司にはもう少し自分自身を労る気持ちを持って欲しいと思う。


そんな事より、今私がしなきゃいけないのは


「イ・コージさん起きて下さいー。風邪ひいちゃいますよー」


「ふぇ、あっリアさんおはようございます」


流石のイ・コージさんでも熟睡は出来なかったらしく、どこか眠たそうだ。


「こんな生活をしていたら体を壊しちゃいますよー」


「ははっ、誰かに心配をしてもらえるなんて久しぶりですね」


それ位でそんなに嬉しそうに笑わなくてもいいのに


「そりゃ同じ職場の人が床で寝ていたら心配しますよー」


「デュクセンに居た頃に研究室で寝ていたら心配より先に研究結果を盗む同僚ばかりでしたから、リアさんそれよりこれを見て下さい」


イ・コージさんが差し出したのは、何の変哲もないフェルト布。


「フェルト布ですよね。これがどうかしましたかー?」


「よく見て下さい」


そう言われてフェルト布を良く見ると布と同じ色の糸で刺繍が施してあった。


「これは魔法陣ですか?」


それにイ・コージさんが刺繍したの?

真夜中の研究室で1人で?


「羊毛に圧力の魔法を掛けてフェルト布を作り、魔力を通わせた絹糸にサビ除去と研磨の魔法陣を刺繍してあります。これを鞘の内部に張り付けるに予定です」


剣を抜く度に剣が磨かれる訳ですか。

でも


「騎士団の中には鞘に宝石とかをはめ込んでいるお馬鹿さんもいますよー?それをバラして内側に張り付けるのは難しくないですかー?」


「そんな人には従者さんに直接拭いてもらうしかありませんね。でも軽く拭くだけで剣が輝きますから騎士団の人は自分で磨きたがるかと」


私も試しに預かっている剣をフェルト布で軽く拭いてみたら、手入れがあまりされていなかった剣が直ぐに輝きを取り戻したんです。

確かにこれなら見栄っ張りの多い騎士団に受けると思いますー。


「汚れたら交換ですかー。洗ったら駄目なんですか?」  

「洗うと刺繍が崩れちゃうんですよ。それに貴族の皆様なら買い換えてくれるじゃないですか。軽い魔力があれば誰でも縫えますから雇用にも繋がりますよ」


「随分と気を使いますねー」


イ・コージさんは使い勝手だけでなく製造方法まで考えるなんて。


「私の名前が出なくても責任は取らされますからね。出来る事はしておきたいんですよ。」


それで功績と利益は研究所の物なんですよねー



「でもこれだと真似されちゃうじゃないですかー?」


「大丈夫ですよ。最後の防刃の魔法は研究所で付与しますから」


手抜かりはなしですか。


結果、フェルト布は騎士団や傭兵隊に大好評になりました。


中には鎧や兜まで磨く人も出て来て、ルーンランドでは汚れ1つない装備をしてる者をフェミニストと呼ぶ様になった程ですから。



side イ・コージ


なぜか所長のヤ・ツーレさんから呼び出しをされました。

何か苦情が来たんでしょうか?

まさかの退職勧告じゃないですよね?


「失礼致します。イ・コージです」


幸い所長室は穏やかな雰囲気です。

でも穏やかな雰囲気からの退職や訓告も良くある話。


「イ・コージさん良く来てくれました。フェルト布の評判とても良いですよ」


良かった、悪い事ではなさそうです。


「それなら幸いです。それで何の御用でしょうか」


「そんなに緊張しないで下さい。イ・コージさんの評価が高まったから何かプレゼントを贈りたいと思いましてね。例えば君好みの美しい助手でも構いませんよ」


美しい助手が来た所で何もないですから、それはいりません。


「それなら欲しいモノがあるんですが……」



side リア


「研究室の引っ越しですかー?」


「ここは手狭ですからね。こないだのフェルト布のご褒美として広めの研究室をお願いしたんですよ」


イ・コージさんは嬉しそうに話しているけども、ゴブリンバイバイや今回のフェルト布の売り上げを考えると何とも慎ましい願いなんですけど


「それで良いんですかー?自分好みの女の人を助者として囲っている人もいますよー」


「何を言ってるんですか?そんな事をしたら目立つでしょ、それに私にはそんな度量も器量もありませんから」


確かにイ・コージさんの立場を考えると目立つのを避けたいのは分かりますけど、そんな情けない事を堂々と言わないでも


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



新しい研究室を見ての感想は1つ。


(イ・コージさんは研究所に住み込むつもりですね)


だって個室にベットもあるしキッチンまであるんですから


「ここいいでしょ。ここなら安心してグッスリと眠れます」


そうですよね。

ここはルーンランドの心臓部ですから他国の人間が無断で入るのは、ほぼ不可能ですもんねー。

イ・コージさんは見つかる心配がなくりますもんね。


同僚やら上司とかをだそうかと、そこでサラリーマンの愚痴を募集します

ザコ以上に男性向け小説になる気が

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